【コラム】コロコロ便が続く場合はどうする?原因と対策で気になる症状を改善しよう コロコロ便が続く原因は? コロコロ便が続く人は要チェック!過敏性腸症候群とは? コロコロ便が続く人におすすめの改善法 コロコロ便が続くときは、健康的な生活と便秘対策を! コロコロ便が続くと、お腹がすっきりせず困ってしまいますよね。「ずっとコロコロ便が続くけれど、問題ないのかな?」と悩む方も多いでしょう。 うさぎのふんのようなコロコロ便が続く場合、食事内容の見直しやトイレで座る習慣を作るなど、生活習慣の工夫が大切です。当記事では、コロコロ便が続く人に向けて原因や対策をご紹介します。 コロコロ便が続く原因は? 水分が不足している 水分補給が不十分だと、コロコロ便が続く場合があります。これは、体の水分が不足すると大腸で便に含まれる水分が吸収されてしまい、コロコロとしたうさぎのふんのような便になるためです。 本来、理想的な状態の便は適度な水分を持っており、半練り状のバナナのような形をしています。そのため、コロコロ便が続く人は水分をしっかり摂れているかチェックしましょう。 食生活が乱れている・食事量が少なすぎる 食生活が乱れて必要な栄養成分を摂れていなかったり、食事の量自体が少なすぎたりするとコロコロ便が続く原因となります。食事から摂取する食物繊維や水分が足りない場合、スムーズな便の排泄が妨げられて便通が悪くなるのです。 さらに、便は食品から栄養や水分を消化吸収したあとの残りかすであるため、食事量が少なすぎると便の量も少なくなって便秘がちになります。 ストレスや緊張で自律神経のバランスが崩れている コロコロ便が続く場合、ストレスや緊張が原因で自律神経のバランスが崩れている可能性にも注意しましょう。自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があり、大腸の蠕動運動はリラックス時に優位となる副交感神経の働きで活発化します。 しかし、ストレスを受けると交感神経のほうが優位となり、大腸の蠕動運動が抑制されてしまうのです。 本来は交感神経と副交感神経が協調しながら、胃腸や心臓など全身の機能を調節していますが、ストレスで交感神経の緊張状態が続くと自律神経のバランスが損なわれる可能性があります。そのため、ストレスが原因で腸の動きが悪くなると、コロコロ便が続くこともあるのです。 ストレスが原因で便秘になるメカニズム 排便リズムが整っていない 排便リズムが整っていない場合、コロコロ便が続く原因となります。通常、排便にはリズムがあり毎日ほぼ同じ時間帯の決まったタイミングで便意を催す人も多いのです。しかし、食事や生活習慣のリズムが整っていないと、排便リズムも乱れる場合がありますよ。 食べ物が胃に入ると、大腸の動きが活発になる「胃・大腸反射」が起こって便意につながりますが、食事を抜いたり食べる時間帯が不規則であったりすると、排便リズムが乱れがちになります。 また、食後に便意を感じてもゆっくりトイレに座る時間を取れないと、便意が消えて排便のチャンスを逃してしまうため注意が必要です。排便リズムが乱れていると「出したくても出ない」という状態になり、固いコロコロ便が続く場合がありますよ。 過敏性腸症候群などの病気が隠れている コロコロ便が数ヶ月続く場合、過敏性腸症候群のような病気が隠れていることもあるので注意しましょう。過敏性腸症候群とは、大腸に異常がないのに便秘や下痢などの症状が続く病態です。 過敏性腸症候群は緊張や不安などのストレスなどが原因で発症するといわれており、便がうさぎのふんのようなコロコロ状になる場合があります。次の章では、過敏性腸症候群の種類やコロコロ便が出やすいタイプについて解説していきます。 コロコロ便が続く人は要チェック!過敏性腸症候群とは? 過敏性腸症候群には種類がある 検査で明確な異常がなくても便秘や下痢など便通トラブルが長期間続くのが、過敏性腸症候群の特徴です。過敏性腸症候群には「便秘型」「下痢型」「混合型」「分類不能型」の4種類のタイプがあり、それぞれメカニズムや症状が異なります。 便秘型は、大腸の痙攣によって便秘が起こるタイプです。下痢型は腹痛を伴う下痢が急激に起こることが特徴で、苦しい腹痛と便意がストレスになって症状をさらに悪化させる場合もあります。 混合型は、下痢と便秘の両方が現われるタイプです。便秘型は男性よりも女性に多いとされています。 日本消化器病学会 機能性消化肝疾患診療ガイドライン2020-過敏性腸症候群(IBS)[改訂第2版] 便秘型、混合型ではコロコロ便が続く場合もある うさぎのうんちのようなコロコロ便が続く人は、便秘型や混合型の過敏性腸症候群になっている可能性に注意しましょう。過敏性腸症候群による便秘症状は、大腸の痙攣によってスムーズな蠕動運動ができないことが原因で起こります。 痙攣部分の腸管が狭くなると便がスムーズに通過できず、便の水分が失われるのです。その結果、うさぎのうんちのようなコロコロ便となり、便を出すのが困難になります。 しかし、コロコロ便が数日続く程度であれば、生活習慣の見直しで解消できる可能性が高くなります。目安として3ヶ月以上続く場合には、過敏性腸症候群を考慮するとよいでしょう。 コロコロ便が続く人におすすめの改善法 起床時の飲水とこまめな水分摂取を習慣づける 便秘が続く人にとって、水分補給は便秘解消の重要な方法となります。体のなかの水分が足らないと便に含まれる水分が失われやすくなり、固い便になってしまいます。そのため、起床時や寝る前、入浴前後などは脱水予防のために水分を摂取しましょう。 特に、起床時の飲水は胃への刺激となります。「胃・大腸反射」とよばれる反応を起こし、大腸の蠕動運動を活発化させて便通をよくする働きが期待できるのです。 固いコロコロ便が続くと悩んでいる人は、起床時の飲水とこまめな水分摂取を意識しましょう。 食事は3食しっかりと摂る 便秘が続く人は忙しい朝でも朝食をしっかりと摂り、1日3食バランスのよい食事を心がけることも便秘解消法の一つです。ダイエットなどで食事の量を減らしすぎるとうんちのボリュームも減少し、十分な量の排便ができなくなるので注意しましょう。 また、食品に含まれる食物繊維や水分は、便秘解消のために欠かせない要素です。食物繊維は大腸で便を柔らかくしたり便のボリュームを増やしたりして、スムーズな排便を導きます。さらに、食品中には水分も含まれているため、食事は水分補給の役割もはたしてくれますよ。 ビフィズス菌・乳酸菌・オリゴ糖などで腸内環境に働きかける コロコロ便が続く人は、ビフィズス菌や乳酸菌などを含む食品を摂取することがおすすめです。これらの善玉菌は腸内環境をよくする働きがあり、ヨーグルトや乳酸菌飲料などで補えます。 オリゴ糖は大腸のなかで善玉菌の栄養源になり、善玉菌の増加や整腸作用を発揮する糖質です。そのため、善玉菌やオリゴ糖を日々の食生活に上手く取り入れることも、コロコロ便を解消する方法といえます。 水溶性食物繊維が豊富な食品を食べる 現代人は、大人も子どもも食物繊維が不足しているといわれています。便秘が続く人は、便秘解消のために食物繊維の摂取も大切なのです。食物繊維には大きく分けて不溶性と水溶性の2種類がありますが、うさぎのふんに似たコロコロ便が続く人は、水溶性食物繊維を意識的に摂るとよいでしょう。 不溶性食物繊維は便のボリュームを増して大腸を刺激し、水溶性食物繊維は便を柔らかくする働きがあります。ただし、コロコロ便が続く人には不溶性食物繊維は大腸を刺激しすぎる場合もあるので、摂りすぎないよう注意しましょう。海藻や穀類など、水溶性食物繊維の豊富な食品を摂ることが理想的ですよ。 ストレス対策で心身をリラックスさせる コロコロ便が続く人は、ストレスをためこんでいないかチェックしてみましょう。ストレスや精神的な緊張が自律神経のバランスを乱し、大腸の働きを妨げるおそれがあります。 ストレスを受けて交感神経が緊張すると大腸の動きが弱まります。その結果、蠕動運動が抑制されて大腸に便が滞りやすくなり、便の水分が抜けてコロコロ便になるおそれがあるのです。 なお、男性に多い下痢型の過敏性腸症候群も、ストレスの影響で悪化するといわれていますよ。ストレスをためこまず、心身をリラックスさせることも固い便を解消する方法の一つです。 生活習慣を見直す 睡眠不足・運動不足の解消も、固いコロコロ便に対処する方法です。睡眠中には副交感神経が優位に働き、大腸の蠕動運動が活発化します。そのため、しっかりと睡眠をとって腸の働きをよくすると、スムーズな排便へとつながるのです。 また、定期的な運動習慣は、自律神経のバランスを整えたり腹筋を鍛えたりすることに役立ちます。腹筋が弱いと排便時に十分な腹圧をかけられず、便秘の原因になるので注意しましょう。便秘やコロコロ便が続く人は、運動を習慣づけることもおすすめです。 便秘薬を上手に取り入れる ご紹介した生活習慣の工夫を取り入れても、「固いコロコロ便が解消されなくて、うさぎのふんのような状態が続く…」という場合は、便秘薬を試してみることも一つの方法です。体調に合わせて上手に取り入れましょう。 例えば、女性は生理前に便秘になりやすく、便秘に伴う腹痛や排便時に苦しい思いをする人も少なくありません。便秘がちな場合、用法用量を守って市販の便秘薬を試してみるとよいでしょう。 しかし、便秘薬にはさまざまなタイプがあり、自分の状態に合わない薬を使用すると症状が悪化する場合もあります。コロコロ便が数ヶ月続くような場合には、医療機関に相談することをおすすめします。 医療機関に相談する 上記の方法を試してもコロコロ便が続く場合、医療機関への受診が最も有効な対処方法です。医療機関では問診や血液検査、便検査のほか、必要に応じて大腸内視鏡検査などによりコロコロ便の原因を調べていきます。 医師は患者それぞれの症状に合わせて、過敏性腸症候群の治療薬を処方してくれるので安心でしょう。また、腹痛や下痢の有無などを考慮して薬を処方してくれるので、コロコロ便が続く人は消化器内科などに相談してください。 コロコロ便が続くときは、健康的な生活と便秘対策を! コロコロ便が続く原因として、水分不足や食事面での問題、ストレスや排便リズムの乱れなどが挙げられます。数日続く程度であれば、まずは生活習慣を見直してみましょう。 しかし、数ヶ月の間コロコロ便が続く場合、過敏性腸症候群などの疾患が原因になっている可能性があるため、医療機関に受診すると安心です。当記事を参考に適切な対処法を選び、お腹の不調を解消しましょう。 正しい情報を掲載するよう注意しておりますが、誤った情報があればご指摘ください 医療情報に関するご指摘はこちら からだの気になる症状別ガイド一覧へ戻る