便秘中のつらい腹痛、解消方法は?タイプ別の痛みや症状についても解説

【コラム】便秘中のつらい腹痛、解消方法は?タイプ別の痛みや症状についても解説

便秘のつらい症状の一つに腹痛があります。腹痛があると仕事や勉強にも集中できなくなり、日常生活にも支障をきたしかねません。さらに、症状を放置していると吐き気を催したり、痛みが強くなって動けなくなったりすることも。
便秘による腹痛は、腸内にガスや腐敗物質が溜まって起こるので、根本の原因である便秘を治すことが最優先となります。毎日気持ちよく排便をして、便秘や腹痛のない生活を送りましょう。

便がたまるとなぜお腹が痛くなる?便秘と腹痛の関係について

便秘になると便が体内に留まって、うまく排便できない

便秘になると便が体内に留まって、うまく排便できない

便秘とは、腸内に便が溜まってスムーズに排便されないことをさします。一般的に、3日間排便がない場合は便秘といってよいでしょう。腸内に便が溜まると便が次第に腐敗していき、ガスを発生するため腹痛が起こります。また、便秘になると腹痛がしてガスが臭くなることも、便が腐敗していることが原因です。

さらに、便が溜まると大腸が蠕動運動をしても便が動きにくくなるので便秘や腹痛は悪化します。便秘が悪化すると激痛を伴うこともあるので、便は溜めずに毎日排便がある状態を目指しましょう。

便が体内に留まると、ガスが発生して腹痛になる

便が体内に留まると、ガスが発生して腹痛になる

便秘が続くと、腸内で便が徐々に腐敗していきます。腐敗した便から大量のガスが発生するようになり、腹痛や吐き気が発生するのです。また、便秘を治さずにいると軽い痛みではおさまらず、腹部が激痛になったり下痢になったりするおそれがあるので注意してください。

ガスによる腹痛の対処方法として、ガス抜きのポーズや運動をして腸の蠕動運動を促すと、腹痛が一時的におさまります。体内からガスが抜けると痛みが軽減して便も動きやすくなり、排便が楽になりますよ。

お腹の張りや吐き気、肌荒れなどの症状が起こることもある

お腹の張りや吐き気、肌荒れなどの症状が起こることもある

便秘は腹痛だけでなく、肌荒れなどの他の症状も引き起こすことがあります。
便が腸に詰まると胃が圧迫されて、腹痛だけでなく吐き気やゲップなどの症状が現れることもあるでしょう。また、腸内環境と肌は密接につながっており、腸内環境が荒れると肌荒れも引き起こされます。美容のためにも便秘対策を行い、健康な腸内環境を作りましょう。

便秘タイプを知って正しく対処しよう!便秘の種類を解説

種類
  • 運動不足や食物繊維不足によって起こる「弛緩性便秘」

    運動不足や食物繊維不足によって起こる「弛緩性便秘」

    弛緩性便秘とは大腸の蠕動運動が弱くなることで、排便できなくなることをいいます。女性や高齢者など、筋肉量が少ない人にみられる便秘の症状です。この便秘や腹痛の対処方法として、ウォーキングなどの軽い運動で腸を刺激して蠕動運動を促しましょう。また、野菜や海藻などの食物繊維を摂取して便のかさ増しを行い、腸が便を押し出しやすくすることも重要です。弛緩性便秘は生活習慣の見直しで症状改善を試みますが、便秘や腹痛が続く場合は便秘薬の服用も必要でしょう。

  • ストレスや緊張によって起こる「痙攣性便秘」

    ストレスや緊張によって起こる「痙攣性便秘」

    痙攣性便秘は自律神経の乱れによって引き起こされる便秘です。ストレスを受けたり、緊張状態が続いたりすると交感神経が優位になり、腸管が痙攣を起こすことが原因で発症します。痙攣した腸管では便を体外に押し出すことが難しく、腹痛や便秘が起こってしまいます。
    対処方法として、ストレスや緊張を受ける原因となるものを遠ざけることが重要です。原因を取り除くことで便秘や腹痛の改善を目指しますが、難しい場合は薬物治療も行います。

  • トイレのタイミングを逃すことで起こる「直腸性便秘」

    トイレのタイミングを逃すことで起こる「直腸性便秘」

    直腸性便秘とは、便意を我慢し続けることにより便秘になることをいいます。例えば「朝、会社に遅刻しそうでトイレを我慢したら便秘になってしまった…」という場合は直腸性便秘です。
    便意を我慢する状態が続くと直腸付近に便が詰まり、便が固まります。その結果、腹痛や排泄時に痛みを伴うおそれがあるので注意してください。
    直腸性便秘の対処方法は、毎朝決まった時間は便座に座るようにするなど生活リズムの見直しが必要となります。また、外出先でも便意がある場合は我慢せずにトイレに行くことが大切ですよ。直腸性便秘は忙しい人に起こりやすいので、便意や腹痛は我慢しないよう気をつけましょう。

  • 腸や肛門に病変があることで起こる「器質性便秘」

    腸や肛門に病変があることで起こる「器質性便秘」

    器質性便秘とは、腸や肛門に病変があることで引き起こされる便秘をいいます。一般的では、痔核が肛門を塞ぐことで排便が難しくなり、便秘になることがあります。また、大腸癌などが原因で便秘や腹痛が起こっている場合もあるため注意が必要です。
    排便時に激痛がある場合や腹痛の程度がひどい場合、吐き気や嘔吐が続くときは、便秘以外の病変が隠れている可能性が高いので病院を受診した方がよいでしょう。

腹痛が起こった時はどうしたらいい?便秘の解消方法5つ

  1. 「ののじマッサージ」や「腸ひねり運動」で腸を刺激する

    「ののじマッサージ」や「腸ひねり運動」で腸を刺激する

    腹痛がひどい場合は、一刻も早く楽になりたいですよね。「腹痛のせいで仕事が手につかない…」と悩む方も多いでしょう。このような場合、便秘による腹痛の対処方法として、「ののじマッサージ」と「腸ひねり運動」は即効性もありおすすめです。
    ののじマッサージは、おへそを中心に時計回りに「の」を描くように腸を押していきます。腸ひねり運動は、座ったままゆっくり左右に腰をひねることで腸を刺激する運動です。
    どちらも物理的に腸を刺激するため、腹痛や便秘の痛みに効果が現れやすいでしょう。また、ガスも出やすくなるため一時的にですが痛みが軽減します。

  2. 便が柔らかくなるように、しっかり水分補給をする

    便が柔らかくなるように、しっかり水分補給をする

    体に水分が不足すると、便が硬くなって排便が難しくなります。便を柔らかくするためには、日頃からしっかり水分補給することが大切です。最低でも、1日2リットルの水分を摂るようにしましょう。
    また、硬い便は排便時に痛みを伴い、ひどい時は切れ痔を誘発することもあります。激痛といわれている痔の対策としても、日頃から便を柔らかくすることを意識してください。

  3. ウォーキングなどの軽い運動で、体の流れをよくする

    ウォーキングなどの軽い運動で、体の流れをよくする

    血流が滞ると、便秘や腹痛が引き起こされます。特に、冷え性の人は血流が悪く、便秘体質になりやすい特徴があります。そのため、血流をよくして体温を上げられるように、毎日軽い運動習慣を身につけましょう。
    運動をすると腸の蠕動運動も活発になります。また、お腹にガスも溜まりにくくなり腹痛も少なくなるでしょう。運動は、便秘や腹痛対策以外にもむくみやストレス解消の効果もあります。健康のために毎日の運動は続けるようにしてください。

  4. 野菜などの食物繊維を摂って、便のかさ増しをする

    野菜などの食物繊維を摂って、便のかさ増しをする

    現代では、食物繊維の摂取量が不足している人が多いです。食物繊維には便の量をかさ増しして、便を外に排出しやすくする効果があります。また、食物繊維を多く含む野菜には、ビタミンなどの栄養素も豊富です。
    そのため、便秘・腹痛に悩む人は意識的に野菜やキノコ類、海藻などの食物繊維の多い食べ物を摂取するようにしましょう。忙しくて毎日料理ができない人は、納豆やキムチなど調理をしなくてよいものを常備しておくのがおすすめです。

  5. 自力で便を出すのが大変なら、市販薬を使ってみる

    自力で便を出すのが大変なら、市販薬を使ってみる

    これまでさまざまな便秘の解消方法を紹介しましたが、一度便秘になるとなかなか治りません。また、生活習慣を変えるだけではすぐに効果が出ないことも多いです。このような場合は、便秘や腹痛を我慢せず市販薬の使用も検討してみましょう。
    ただし、便秘薬ばかりを頼って排便をすると、下痢になったり徐々に自力で排便できなくなったりするおそれがあるので注意してください。
    このようにならないためにも、食生活や運動など生活習慣の改善も並行して行うようにしましょう。また、市販薬を使用しても便秘や腹痛が治らない場合は、病院を受診してくださいね。

腹痛が起こる前に便秘を解消することが大切!便秘の予防方法5つ

  1. 1日1回は便通があることを目指そう

    1日1回は便通があることを目指そう

    健康な人は1日1回便通があるので、毎日便通がある状態を目指しましょう。
    生活リズムが整っていると、およそ同じ時間に排便があります。まずは、生活リズムを整えることを第一目標にしてください。

  2. 食事や睡眠など生活習慣を改善して、身体や排便のリズムを整えよう

    食事や睡眠など生活習慣を改善して、身体や排便のリズムを整えよう

    生活リズムが乱れると、どうしても排便のタイミングを逃したり腸の動きが鈍ったりして腹痛や便秘になりがちです。そのため、「睡眠時間を確保してバランスのよい食事を摂る」という規則正しい生活は、便秘を治すために欠かせません。仕事や勉強が忙しくても、毎日の生活リズムは崩さないようにしましょう。
    生活習慣が改善されると腸内環境がよくなり、便秘になりにくい体質へ変化します。便秘や腹痛に悩まなくなると、仕事や勉強のパフォーマンスも上がりますよ。

  3. 1日10分ストレッチなどの身体を動かす習慣をつけよう

    1日10分ストレッチなどの身体を動かす習慣をつけよう

    身体を動かすことは、便秘だけでなく肩こりや腰痛、ストレス解消にとても役立ちます。また、筋肉がつくときれいな体型にもなれますよ。1日10分でよいので、ストレッチや筋トレをして身体を動かすようにしましょう。
    特に、便秘で悩んでいる人はお腹をひねる動きを取り入れると、腸を刺激してみましょう。

  4. ストレスはその日のうちに解消!ストレスは溜めずにいよう

    ストレスはその日のうちに解消!ストレスは溜めずにいよう

    ストレスを受けたら、その日のうちにすぐ解消するのが鉄則です。仕事や学校が終わった夜の時間は、ゆっくりお風呂に浸かったり趣味の時間を持ったりして、自分がリラックスできる時間を過ごしましょう。
    少しのストレスでも溜まると大きいストレスになってしまい、ストレス解消が難しくなります。そのため、ストレスは翌日に持ち越さずその日のうちに解消しましょう。

  5. 便意を感じたら、すぐトイレに行く癖をつけよう

    便意を感じたら、すぐトイレに行く癖をつけよう

    会社や学校に行っている人に多いのが、便意を感じても我慢してしまうことです。せっかく便意があっても、すぐトイレに行かなければ便意がなくなってしまい、便秘や腹痛につながります。すぐにトイレに行けない状況もあるかもしれませんが、できるだけ便意を感じたらすぐにトイレに行く癖をつけましょう。
    また、朝起きたら便意がなくてもトイレに座るように習慣づけると、朝に排便するリズムができるのでおすすめです。

便秘を解消して、お腹にストレスのない生活を送ろう

便秘を我慢すると軽い腹痛ではおさまらず、下痢や吐き気、腹部に激痛を伴うこともあります。そのため、自身の便秘タイプを理解して解消することがとても大切なのです。当記事で紹介した便秘解消方法を参考に、お腹にストレスがかからない生活を送ってくださいね。

また、「便秘の解消方法を試してみても、お腹の痛みがひどい…」という方は、無理せず病院を受診するようにしましょう。

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