監修医師
小栁 衣吏子先生
ウェルエイジングをめざす方々のため、日々探求している皮膚の専門家。平成10年順天堂大学医学部卒業後、同大学病院の皮膚科、都内の美容皮膚科での経験を積み、平成23年、AOHAL CLINIC院長に就任し、現在に至る。
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本美容皮膚科学会会員、日本抗加齢医学会専門医。
洗顔とクレンジングはしっかり&やさしく
ニキビ対策のベースとして大切なステップがクレンジング&洗顔。毛穴につまったメイクや皮脂などは、アクネ菌の好物なのでしっかり落とすことが重要です。
ただ、大人ニキビは乾燥もニキビの原因となるので、洗顔のしすぎにも注意が必要です。何回も洗顔したり、ごしごしと肌をこすったりは肌のバリア機能を壊し、必要なうるおいまでもとってしまうので気をつけましょう。
クレンジングをするときは、肌をこすらないように多めに手にとってやさしくメイクを落としましょう。
洗顔は、たっぷりと泡立てて、肌と手の間に泡のクッションを挟むイメージで洗うように心がけましょう。
また、洗い残しも皮膚自体を痛めるの原因になるので、すすぎは10~15回以上丁寧に行いましょう。ただし、この時も肌を擦るような摩擦刺激を与えないよう気をつけましょう。その際は、熱いお湯は厳禁。水かぬるま湯で。
保湿が大切
ニキビの原因は皮脂と思っている人も多く、ニキビができている時は保湿をあえて避ける人も少なくありません。
しかし、大人のニキビは乾燥によるターンオーバーの乱れが原因になることがあり、保湿によるケアは洗顔と同等に重要です。
コットンは材質や使い方によってニキビを傷つける可能性があるので、できれば自分の手でしっかりと保湿するようにしましょう。
化粧水だけではなく、油分が嫌で避けがちな乳液も、肌のうるおいを逃さないための大切なフタの役割をするので必ず使うようにしましょう。
メイクで気をつけること
ニキビが出来ているという状態は、心にもストレスを与えニキビを悪化させてしまう可能性もあり、メイクで上手にニキビを隠すことも重要です。
ニキビを隠すために、コンシーラーやファンデーションを塗りこんでしまう人も多いですが、ニキビの出来ている箇所は出来るだけ避けるようにしましょう。
ニキビができやすい肌には、ノンコメドジェニックテスト済みの日焼け止めやファンデーションがオススメです。
紫外線もニキビ悪化の原因になるので、日焼け止めも忘れずに使用しましょう。
生活面で気をつけること
ニキビを隠したい気持ちはよくわかりますが、ニキビを悪化させる原因になることが多いので注意しましょう。
例えば、髪の毛でニキビを隠していませんか?
髪の毛の整髪料や汚れ、物理的刺激でニキビを発生・悪化させることがあります。
また、マスクで1日中顔を覆って隠すことも、肌が蒸れてニキビを悪化させてしまいます。ニキビを隠すというところだけに集中するのではなく、アイメイクやリップメイクなどをしっかりすることで、ポイントメイクに視線を集めるなどの工夫もしていきたいですね。
食生活で気をつけること
ニキビケアにはもちろん、食事も大切です。1日3食、バランスのよい食事を心がけましょう。
スナック菓子やファーストフードによく含まれるようなトランス脂肪酸系の脂肪分の摂取を控え、ニキビに効果が期待できるビタミン豊富な緑黄色野菜を摂取しましょう。
また便秘とニキビはとても密接です。便秘に効果的な食物繊維を摂取しましょう。食物繊維で最近注目されている素材に「大麦」があります。普段炊いているご飯に、大麦を3~5割混ぜて召し上がると、手軽に食物繊維が摂れます。
睡眠で気をつけること
睡眠は疲れやストレスだけでなく、肌のダメージも回復させます。質のいい睡眠をとるようにしましょう。
睡眠が大事、というと、「たっぷり寝ないといけないのね」と思われるかもしれないのですが、重要なのは睡眠時間の長さよりも“規則正しさ”。毎日決まった時間で活動することで、体内リズムを整えることが重要です。
できるだけ就寝・起床の時間を毎日一定に保ちましょう。難しい場合は、起床時間だけでも一定にし、起きたらカーテンを開けて大きく深呼吸をしましょう。
また、夜寝る前はスマホやPCの画面が発するブルーライトを避けることも、質の良い睡眠には重要です。
寝る前に軽くストレッチをしてみたり、ハーブティ、アロマなどでリラックスして副交感神経を優位にしてあげましょう。