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子どもの近視が近年増加しており、屋外活動の減少、スマートフォンやタブレットの使用といった生活環境が大きく関わっていると言われています。外遊びをあまりしない、近くを見る作業が多い子どもは近視になりやすいので要注意。また親が近視だと、子どもも近視になりやすいと言われています。予防と適切なケアが求められる時代になっています。子どもの視力低下の実態について、見ていきましょう。
子どもの視力低下は身近な健康課題となっています。 小学生の子どもを持つ親に調査したところ、裸眼視力1.0未満の小学生は3人に1人以上。5人に1人はメガネやコンタクトレンズを使用しており、その7割は近視用です。 子どもたち自身も「授業中に黒板が見えにくい」「目が疲れる」「姿勢が悪くなる」など生活に影響があると答えました。(2024年ロート製薬調べ)
文部科学省が毎年行っている学校保健統計調査によると、裸眼視力1.0未満の子どもは小学校で3割以上、中学校で約6割、高等学校で約7割にのぼります。過去40年以上にわたり増加の一途をたどっています。コロナ禍の影響で調査時期が異なるため単純な比較はできませんが、2022年の調査では中学校で約38%、中学校で約61%、高等学校で約72%と、数値上過去最高となる非常に高い割合となっていました。
子どもの視力低下の大きな原因となっているのが近視です。 1999年の報告でも、日本の子どもの近視は増加傾向にあり、1984年と1996年で増加していました。 さらに、2017年に慶應大学の近視研究チームが東京都内の小中学校で近視の有病率を調査したところ、小学生で76.5%、中学生で94.9%という結果に。 驚くべきことに、この調査では小学1年生の時点ですでに6割の子どもが近視でした。近視の増加と早期発症が大きな課題となっています。
なぜ子どもの近視が増えているのでしょうか。 近視は遺伝と生活環境の両方が関与していると言われていますが、近年、子どもの近視が激増しているのは、子どもたちを取り巻く現代の生活環境の変化の影響が大きいと考えられています。
スポーツなど外で遊べる時間・場所・仲間が減った
親が近視だと、子どもに遺伝するの?
インドの都市部の小中学生9884人(年齢中央値11.6歳)を対象に読み書き、テレビ、コンピューター・ビデオゲーム、外遊びに費やす時間を調査し、各行為が0か、少ない子を1とし、近視になるリスクを調べた研究結果です。テレビやコンピューター・ビデオゲームなど、特に長時間にわたる作業が近視リスクを高めることが明らかになっています。近くを見る作業は目の負担を増やし、近視のリスクを高める可能性があることを示しています。
スマートフォンやゲームで近視がすすむの?
慶應義塾大学病院など日本の6ヵ所の眼科医療機関に来院した患者を対象に、睡眠と近視の関係を分析。強度近視の子ども(10~19歳)は、近視でない子どもに比べて就寝時間が遅く、また睡眠時間が短いことが分かります。
複数あてはまる場合は、将来、近視になるリスクが高まるといわれています。
近視を進ませないために今できること
たいせつな子どもの目。 からだも目も成長する学童期は、定期的な検査を受け、適切な指導を受けることが大切。 目について気になることがあれば、眼科医に相談しましょう。
監修
慶應義塾大学医学部 眼科学教室 麹町大通り眼科 森 紀和子 先生