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目の使いすぎなどによる一時的な近視状態は、目薬などで治療することができます。しかし、近視による視力低下は主に、目の奥行きの長さ(眼軸長)が伸びすぎることによって起こります。残念ながら、一度伸びすぎてしまった眼軸長を元に戻すことは出来ないといわれています。
近視とは?
近視が進みすぎると、メガネやコンタクトが必要になるなど生活が不便になるだけでなく、将来、失明にいたる目の病気になる危険性が高まるといわれています。そのため、なるべく早い段階から近視を進ませないようにすることが大切です。
スマートフォンやゲームに限らず、長い時間近くを見る作業は、目に負担がかかります。子どもは目が疲れたことに自分では気づきにくいものです。近くを見る作業をするときは、大人がよく観察して1時間ごとに5~10分程度は休み、遠くを見るように促しましょう。
こんなこどもは近視になりやすい
頭が前方に傾くほど、頭を支える首や肩の負担となります。 また、寝転がってスマートフォンなどをみると、子どもの腕の長さでは十分な距離が取れなかったり、画面の距離が左右の目で変わったり、自然と距離が近くなり、目を寄せることで目に負担がかかったりする可能性があります。 そのため、近くを見る作業のときは自然と距離が取れるよい姿勢でいることをおすすめします。
6メートル以上遠くを見ることをおすすめします。 6メートル以上遠くを見ることが難しい場合、目を閉じていてもOKです。
以下のような場合に、近視予防ができるという報告は今のところありません。
サングラスや窓ガラスなどは、紫外線カット機能をもつものが多く、紫外線以外にも様々な波長がカットされていることから、私たちの目に入る光は、実際の太陽光とは異なります。また、屋内照明から出ている光も、実際の太陽光とは異なることから、屋外と同じ環境とは言えなさそうです。 太陽光のどの波長が近視と関わっているのかは、各国で研究が進んでいるようです。
小・中学生で視力が落ちはじめ、進行することが多いです。ただ、最近は視力低下の低年齢化がすすみ、早い場合は6歳未満から近視になることもあります。
年齢とともに、近視の度合いは進行していくことが多いため、子どもの近視は注意が必要です。
※遺伝や生活環境によって異なります。大人になってから近視を発症する場合や、近視の進行が止まらない場合もあります。
子どもが近視になるリスクは、両親ともに近視ではない子どもと比べて、片方の親が近視だと2倍以上、両親ともに近視だと5倍以上になるという報告があります。しかしながら、最近は急激に近視の子どもが増加しているため、このような遺伝的要因だけでなく環境による影響が大きいと考えられています。
最近の子どもたちの生活環境の変化
お子さんの目の状態によって異なります。おうちでの様子をよく見てください。見えにくそうだったり、ものの見方に気になることはありませんか。
乳幼児健診、就学時健診、学校健診などの視力検査でA以外の判定が出たときは、まずは眼科で検査を受けて、必要に応じてこどもにあった視力矯正を行いましょう。近視でなく、乱視や遠視のために視力矯正が必要な場合もあります。
体が成長する時期は、目の状態も変わりやすいときです。度数の変化がないかを確認するため、定期的に眼科で検査を受けましょう。
たいせつな子どもの目。 からだも目も成長する学童期は、定期的な検査を受け、適切な指導を受けることが大切。 目について気になることがあれば、眼科医に相談しましょう。
監修
慶應義塾大学医学部 眼科学教室 麹町大通り眼科 森 紀和子 先生