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近視と関連があると考えられている遺伝子はいくつかあります。そのなかでも、EGR1という遺伝子は、近視進行をおさえる働きを持つといわれています。
そして、EGR1遺伝子を活性化するものにクロセチンという成分があります。 慶應義塾大学医学部 眼科学教室の近視研究チームが、「EGR1を活性化する食品成分」を探したところ、「クロセチン」が群を抜いてEGR1遺伝子を活性化させることがわかりました。
クロセチンの近視進行抑制効果
ヒト由来の細胞に、数百種類の目によいといわれる食品成分を添加したときのEGR1の発現量を、何も投与していないときを1として比較しました。 ほかの成分に比べて、クロセチンは非常に高いEGR1活性を認めました。
データ:Mori K, Kurihara T et al.(2019)
クロセチンは、クチナシの果実やサフランに含まれる黄色の天然色素です。いくつかの生薬にも含まれ、古くから人々の健康に役立ってきました。
クロセチンは、ニンジンに含まれているβ-カロテンなどの仲間(カロテノイドの一種)で、抗酸化作用のある成分です。他のカロテノイドに比べて、体内にすばやく吸収されるのが特徴的で、さまざまな働きが注目されています。
データ:食品衛生学雑誌, 37(6), 372~377(1996).
慶應義塾大学と大阪大学、ロート製薬の研究グループは、クチナシ由来の色素成分「クロセチン」が小児の眼軸長伸長・屈折度数の近視化を有意に抑制することを確認しました。
6歳~12歳の弱度から中程度の近視( -1.5D~-4.5D )の男女69人を対象に試験を行い、クロセチン7.5mgを含むソフトカプセルを1日1回、24週間服用してもらうと、クロセチンの入っていないプラセボを服用した群に比べ、近視進行を有意に抑制する効果があることが確認されました。
データ:Mori K, Torii H, Fujimoto S, et al.(2019)
たいせつなこどもの目。 からだも目も成長する学童期は、定期的な検査を受け、適切な指導を受けることが大切。 目について気になることがあれば、眼科医に相談しましょう。
監修
慶應義塾大学医学部 眼科学教室 森 紀和子 先生