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近視は、子どものうちにできるだけ進行をおさえることが重要です。近視をこれ以上進ませないために、どのようなことができるでしょうか。一部の眼科でできること、日常生活でできること、それぞれ具体的な方法を紹介しています。
近視の進行をおさえるために、さまざまな研究が進められています。一部の眼科では以下のような治療が行われています。
オルソケラトロジーは、特殊なハードコンタクトレンズを装着し、就寝中に角膜の形を変化させることで視力を矯正する方法で、近視進行抑制効果もあると言われています。レンズは寝る前につけ、朝はずし日中は裸眼で過ごします。医師の処方が必要です。
眼軸長の伸長を抑制する点眼薬などがあります。医師の処方が必要です。
多焦点コンタクトレンズは、レンズの中心部から周辺にかけて、度数が変化しているコンタクトレンズです。医師の処方が必要です。
クチナシ由来の天然色素成分「クロセチン」は、摂取することで子どもの近視の進行を抑制した臨床試験データがあります。
近視進行抑制に期待の成分、クロセチンとは
子どもの近視に気づいたら、なるべく早く眼科を受診し、今の状態にあわせた対策を先生と相談しましょう。
近視の発症予防には屋外活動が有効であることがいくつかの研究で明らかになっています。外へ出て太陽の光を浴びましょう。屋外で過ごす時間が長いほど近視発症リスクは低下するといわれており、理想は1日2時間です。この2時間は連続でなくてOK。通学時間、体育の時間など、1日の合計で2時間を目指しましょう。直射日光ではなく、屋外であれば建物の影や木陰、くもりの日でもよいと言われています。また、太陽光に含まれる特定の波長が近視の進行抑制と関連しているとの報告もあります。
子どもの屋外活動時間と近視の発症率を、親が近視かどうかで分けて分析した研究。両親ともに近視でなくても屋外活動が短ければ、近視になりやすい。
真夏など日差しがとても強いときは、対策を忘れずに。
ノートやタブレット端末、スマートフォンや携帯型ゲーム機など、視距離が近ければ近いほど、寄り目にする力や、近くにピントを合わせる調節力が働き、目の疲れや近視のリスクが高まります。 身近なもので視距離を意識できると良いですね。例えば、A4用紙の長い辺は29.7cmなので、目と見る対象物の間にA4の用紙が入るかどうかで距離を測ることもできます。あらかじめ、手のひらの長さや腕の長さなどを測っておけば、外出先などでも30cmの目安にすることができます。また、30cmの視距離を保ち続けるために、近くのものを見るときは、よい姿勢も習慣づけるようにしましょう。頭を傾けて片目だけ極端に机に近い状態は、近づけている方の目の近視が進みやすいので要注意です。勉強机に向かうときなども気をつけましょう。
ノートやタブレット、スマートフォンの使用など、近くを見る作業を長く続けると、目に負担がかかります。 目を休めるために、30分に1回は20秒以上遠くを見て、目を休めましょう。*米国眼科学会議は「20-20-20 ルール」を推奨しています。連続して20分デジタル端末画面を見たら、20フィート(約6m)離れたところを20秒以上見る、という内容です。
強度近視の子どもは、そうでない子に比べて、睡眠の質が低いことが明らかになっています。よく眠るには日中に光を浴び、夜は光を落としていくなどして生活リズムを整えることが大事です。また、パソコンやスマートフォン、ゲーム機などの画面から出ているブルーライトには「体を目覚めさせる」働きがあるといわれています。寝る1時間前までには、使用を終えるようにしましょう。
慶應義塾大学病院など日本の6ヵ所の眼科医療機関に来院した患者を対象に、睡眠と近視の関係を分析。強度近視の子ども(10~19歳)は、近視でない子どもに比べて就寝時間が遅く、また睡眠時間が短いことが分かります。
小学3~ 4年生で近視を発症するケースが多いのですが、最近は低年齢化が進んでいます。早い場合は6歳未満から近視になることもあります。年齢があがるにつれて近視は進行する傾向にあるため、予防は早めにとりかかることをおすすめします。
※遺伝や生活環境によって異なります。大人になってから近視を発症する場合や、近視の進行が止まらない場合もあります。
たいせつな子どもの目。 からだも目も成長する学童期は、定期的な検査を受け、適切な指導を受けることが大切。 目について気になることがあれば、眼科医に相談しましょう。
監修
慶應義塾大学医学部 眼科学教室 麹町大通り眼科 森 紀和子 先生