うっかり日焼けしちゃったら!? 正しく素早いケアで勝負は決まる!

日差しにさらされる女性 日差しにさらされる女性

紫外線は、日焼けだけでなくシミやしわの原因にもなることから、UVケアは欠かせない!と気をつけている方も多いと思います。
それでも、「日焼け止めを塗り忘れちゃった」「思っていたよりも日差しを浴びる時間が長かった」と、ついつい“うっかり日焼け”を経験したことありませんか?
“うっかり日焼け”は早めのケアが鍵になります!そこで今回は紫外線を浴びた肌の正しいレスキュー方法をご紹介します。

日焼けすると、肌はどうなるの?

赤くなる日焼けから、黒っぽくなる日焼けへ

肌は紫外線をたくさん浴びると、8~24時間をピークに炎症が生じ、『赤くなる日焼け(サンバーン)』を起こします。この時、皮膚は紫外線でヤケドを起こしている状態で、赤みだけでなく、ヒリヒリとした痛みを伴うことも。
日焼けの程度には個人差がありますが、2〜3日すると痛みや赤みはおさまり、次第に『黒っぽくなる日焼け(サンタン)』が現れてきます。

赤くなる日焼けから、黒っぽくなる日焼けへ変化する図 「紫外線環境保健マニュアル2020」(環境省)
をもとに作成
URL:https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/12294133/www.env.go.jp/chemi/matsigaisen2020/matsigaisen2020.pdf

日焼け前の肌にもどるか、シミになるか

肌が黒くなるのは、紫外線から肌を守るために、紫外線を吸収する黒い色素(メラニン)が大量につくられて肌に沈着するためです。
通常、数週間から数ヶ月かけてメラニンは皮膚のターンオーバーにともなって排出され、肌の色は日焼け前の色に戻っていきます。

ところが、長年にわたって紫外線ダメージが蓄積されると、メラニンが過剰につくり続けられるようになります。ターンオーバーの乱れでメラニンがうまく排出されず、肌内部に残るようになると、それがシミになる場合もあります。

日焼けしてしまった肌…正しいケア方法は?

STEP1:肌をしっかり冷やす

肌をしっかり冷やす

『赤くなる日焼け』状態のときは、肌がヤケドしている状態と同じ。まずは「しっかりと冷やすこと」が大切です!
保冷剤をタオルやガーゼで巻いて、日焼けした部分に当てましょう。広範囲の場合は、水風呂につかったり冷たいシャワーを浴びたりして冷やすのも効果的です。

見た目がそんなに赤くなっていなくても、肌の内部では炎症を起こしていることもありますので、紫外線をたくさん浴びたなと思う日は、肌が赤くなっていなくてもクールダウンしてあげると良いでしょう。

もし、水ぶくれができるほどの日焼けだと、それは重症のヤケドですので、すぐに皮膚科を受診してください。

STEP2:たっぷり保湿で肌をガード

たっぷり保湿する

日焼けした肌はバリア機能が弱まっているため、乾燥しやすくダメージを受けやすい状態です。
肌にたっぷりうるおいを与えながらラメラ構造を整えて、保護効果の高いワセリンベースの油分を補ってあげましょう。スキンケア成分に抗炎症成分が入っていると、肌の炎症も抑えてくれるのでより効果的です。

この時、肌はとてもデリケートな状態なので、コットンなどは使用せず、ハンドプレスでやさしくケアしてあげてくださいね。
また、顔だけでなく、首のうしろやデコルテなども“うっかり日焼け”しやすい部位です。ボディの保湿も忘れずに!

STEP3:ビタミンCで身体の中からケア(ビタミンAの補給も)

ビタミンCには『メラニンの生成を抑える』、『黒くなったメラニン色素を薄くする』など、日焼け肌をレスキューする効果があります。
肌に効かせるためには、ビタミンCを「塗る」のが効率的ですが、日焼け直後の肌には刺激になる場合もあります。

「塗る」ビタミンCは炎症が落ち着くまで待って、日焼け直後は「飲む」ビタミンCで身体の中からケアしてあげましょう。日焼け後は1日1000mgを目安に摂取するのがおすすめです!

また、傷んだ皮膚の再生にはビタミンAもとても大切な役割を果たします。食事からも緑黄色野菜をたっぷり摂ったり、サプリメントでビタミンAを補給することも効果的です。

日焼けだけじゃない!紫外線が肌に与える老化ダメージ

ダメージを気にする女性

シミ・シワ・たるみができるメカニズム

日焼けは、肌の表面である表皮で起こる反応ですが、紫外線は肌のさらに奥深くにまでダメージを与えます。

とくに波長の長いUVA(紫外線A波)は、真皮にまで到達してコラーゲンやエラスチンを破壊。そのダメージが蓄積することで、肌の弾力が低下してたるみやしわが発生するのです。
このような紫外線ダメージの蓄積による肌の老化は『光老化』と呼ばれていて、実は肌の老化の8割はこの『光老化』によるものとも言われています。

『光老化』のダメージをためないように

日焼けは紫外線を浴びた直後の反応で、時間が経てば元に戻るのに対し、シミやしわ、たるみなどの『光老化』は長年の蓄積で徐々に進行していき、セルフケアで改善するのは大変です。
一番の予防は、紫外線を浴びる量を減らすことですが、日焼け直後の炎症を抑えてあげることは、光老化のダメージ蓄積を減らすことにもつながるので、紫外線を浴びてしまって「しょうがない…」とあきらめる前に、できるケアをしてあげましょう!

うっかり日焼けを防ぐポイント

日傘をさす女性

日焼け止めを塗る量は足りているか?

実は、日焼け止めの使用量が少ないために、十分な効果が発揮されていないことは意外に多いのです。

顔に塗る場合、クリームタイプの日焼け止めはパール粒2個分、液状タイプなら1円硬貨2個分が一般的な適正量といわれています。日焼け止めのパッケージに推奨量が記載されていますので、その量はしっかり守るようにしましょう。

日焼け止めは2~3時間おきに塗りなおす

日焼け止めは、時間とともに紫外線カット効果が低下することをご存知でしょうか?
さらに、夏場は汗などで落ちやすいので、こまめな塗りなおしが必要です。お化粧の上から塗りなおすのに抵抗がある場合は、UVカット効果のあるファンデーションをメイク直しに使うのもよいでしょう。

日焼け止めを塗る範囲

デコルテの辺りは襟元から入り込む紫外線で、案外知らない間に日焼けしてしまう場所です。洋服を着る前にしっかり広めに日焼け止めを塗っておくようにしましょう。

マスクで紫外線は防げないと心得る

顔が隠れているから紫外線も防いでくれそう…と、油断させてしまうマスクですが、不織布マスクに紫外線カット効果は期待できません。
また、日焼け止めを塗っていても、マスクが擦れることで落ちやすいため、やはりこまめに塗りなおすことが大切です。

屋内にも紫外線は入り込む

紫外線、とくにUVA(紫外線A波)は窓やカーテンを通過して屋内にも入ってきます。今日は外出しないという日でも、紫外線対策は忘れずに。

身体の中からもケア

飲む日焼け止めといわれるサプリメントがあります。正確には日焼けをとめる効果はあまり強くありませんが、日焼けによる活性酸素を強力におさえて皮膚老化を防いでくれる効果があります。

日焼け止めを塗っていてもうっかり日焼けしてしまった場合にも、皮膚のダメージを抑えてくれます。日焼け止めとの併用で、光老化を予防するのもお勧めです。

紫外線を完全に防ぐことは難しいですが、日焼け止めを塗ることを毎日の習慣化にして紫外線対策を意識するだけで “うっかり”を防ぐことができます。
それでも日焼けしてしまったら、美肌を守るためには「素早く、正しく」ケアしてあげることが肝心です。
これから紫外線量が増える夏に備えて、紫外線ダメージに負けない肌のケア方法を実践してみてください。

村上皮フ科クリニック 村上早織 先生

監修:
村上皮フ科クリニック
村上早織 先生