「大人ニキビ」とは?治し方とスキンケア

大人ニキビに悩む 大人ニキビに悩む

若いころにできていたニキビとは少し違う気がする「大人ニキビ」。体調や生活リズムによって突然現れたり、毎月周期的に出てきたり。今回は、「大人ニキビ」の基礎知識から、治し方、適したスキンケア、メイク方法までをご紹介します。

あなたは知っている?ニキビの基礎知識

大人ニキビに対する正しい対策を知るには、まず原因を知ることが大切です。知っているようで意外と知らないニキビの基礎知識をここでおさらいしましょう。

大人ニキビと思春期ニキビの違い

若い頃のニキビ、いわゆる“思春期ニキビ”と“大人ニキビ”は、実は原因とできる場所が異なることが多いのです
思春期ニキビの大半は、成長にともなうホルモン分泌量の増加によって、皮脂が増えて毛穴が詰まることが原因なので、皮脂分泌の多いTゾーンや胸の辺りなどにできやすくなります。
一方で大人ニキビは、同じくホルモン分泌量の増加が原因の一つではあるものの、さまざまなホルモンが複雑に関係し、ストレスも原因となる場合があります。ストレスは、ホルモンのバランスを乱し、皮脂腺の皮脂分泌に大きな影響を及ぼすことがあります。

大人ニキビと思春期ニキビの違い
※図表の内容は、一般的な傾向としてご紹介しています。

色で分かるニキビの状態

ニキビは症状のレベルによって変化し、大きさや色なども変わります。
跡が残ってしまう可能性があるのは、赤・黄色ニキビです。このタイプは、進行した炎症が肌の奥の組織(真皮)まで破壊するので、肌が凹んでしまうのです。跡を残さないためには、ニキビができたら、「すぐ治るだろう」と放置せず、白・黒ニキビや赤ニキビの初期のうちに、潰さずに早く薬を塗って、規則正しい生活をすることが大切です。

白ニキビ
毛穴周辺の角質が厚くなり毛穴をせばめて、皮脂がうまく排泄できない状態。ぽつんと白くできます。

白ニキビ:毛穴周辺の角質が厚くなり毛穴をせばめて、皮脂がうまく排泄できない状態。ぽつんと白くできます。

黒ニキビ
白ニキビの後。毛穴から排泄できずにたまった皮脂が外気にふれて、汚れがついたり皮脂が酸化して黒っぽくなった状態。

黒ニキビ:白ニキビの後。毛穴から排泄できずにたまった皮脂が外気にふれて、汚れがついたり皮脂が酸化して黒っぽくなった状態。

赤ニキビ
毛穴がふさがれて、細菌(アクネ菌など)が増え、炎症をおこしている状態。
皮ふには赤く盛り上がった部分があります。
痛みや赤みを伴い炎症をおこしているため、つぶしたり触ったりしないこと。

赤ニキビ:毛穴がふさがれて、細菌(アクネ菌など)が増え、炎症をおこしている状態。皮ふには赤く盛り上がった部分があります。痛みや赤みを伴い炎症をおこしているため、つぶしたり触ったりしないこと。

黄ニキビ
赤ニキビの後に、さらにさまざまな細菌が増えると、膿(うみ)をもった状態になります。

黄ニキビ:赤ニキビの後に、さらにさまざまな細菌が増えると、膿(うみ)をもった状態になります。

ニキビができた!どうしたらいい?治療薬とスキンケア

ニキビの治療薬とは

できてしまったニキビには、市販薬を使うこともできますが、なかなか治らないときや悪化するときは皮膚科専門医に相談することも大切です。
治療薬としては、アクネ菌を減らす抗菌薬、毛穴のつまりを取り除いてニキビの進行を抑える過酸化ベンゾイル、毛穴の閉塞(つまり)を起こさないようにする外用レチノイドなどがあります。

洗顔に要注意?!

泡で優しく洗顔している顔のイラスト

ニキビが気になる時は、こまめな洗顔・角質ケアなどで汚れをしっかり落とすのが良い、と思っていませんか?実はニキビができたときにせっせと洗顔することはおすすめできません。
とくに皮脂の少ないUゾーンは、洗顔により過剰に皮脂が奪われ、乾燥によってニキビが悪化することもあります。
洗顔は1日2回までとし、肌を直接こすらないよう、洗顔料をよく泡立てて、やさしく洗うのが基本です。その場合でも長時間肌をこすらないように注意が必要です。

大人ニキビは保湿が大切!

スキンケアのイラスト

大人ニキビは乾燥による炎症を起こしやすく、またターンオーバーの乱れも原因になる場合があります。そのため、保湿力の高い化粧水等できちんとケアすることも、大切なニキビ対策です。
しかし、油分の多いクリーム形の保湿剤を使いすぎると逆効果になる場合もあるので、注意が必要。クリームを買う時にはノンコメドの表示があるものを購入することをお勧めします。
ニキビに触れて傷つけてしまわないよう、自分の手で肌をやさしく包み込むように保湿ケアを行いましょう。ニキビ治療薬を使用する場合、化粧水等でしっかり保湿をしたあとに、薬をぬりましょう。

また、ニキビにとっては紫外線も厳禁。紫外線に含まれるUVBにより、皮脂が増えるので、ニキビになりやすいのはもちろん、悪化しやすくなる要因でもあります。
紫外線が強くなる5月以降は、日焼け止めを塗るなどして特に気を付けるようにしましょう。

大人ニキビ、メイクしてもいいの?

ニキビがある時はメイクはしない方がいいのかな、と気になりつつも、ノーメイクでは出かけにくいのが大人の現実。もちろん、メイクはしないに越したことはないですが、基本知識を身に付けてメイクを行うことが大切です。

メイクをすると、毛穴を塞いでニキビができやすくなることがあるので、カバー力の強い油性のファンデーションはNG。比較的油分が少ないパウダータイプがオススメです。
「ノンコメドジェニックテスト済」と表記のあるものを選ぶと、ニキビができやすい方にとって安心して使用できますね。メイクは、洗顔で落ちやすいものを使用するのが基本です。

ニキビは90%以上の人たちが一生に一度は経験すると言われている、とてもポピュラーな皮膚トラブル。だからこそ、間違ったケアや自己流の対処法で乗り切ろうとしてしまう方も多くいます。ニキビに対する正しい知識と、適した対処法を身に付け、上手に治していきましょう。

村上皮フ科クリニック 村上早織 先生

監修:
村上皮フ科クリニック
村上早織 先生