肌のくすみ・シミの原因は、毎日の「摩擦習慣」かも!?

スキンケアをしているつもりなのに肌の調子が悪い スキンケアをしているつもりなのに肌の調子が悪い

きちんとスキンケアをしているつもりなのに、なぜだか肌の調子が悪い…、肌がくすんできた…と悩まれている方、いらっしゃいませんか?
その原因は、知らず知らずのうちに肌を「こする」「さわる」ことによる『摩擦』ダメージによるものかもしれません。
そんなにゴシゴシしてないけれど…と思われるかもしれませんが、普段の生活の中で意外と肌に『摩擦』を加えてしまっていることが多いのです。
そこで今回は、『摩擦』が肌に与える悪影響と、その対処方法をご紹介します。

気づかずしている「摩擦」が、肌のバリア機能を下げている!

肌の厚さは約2㎜ととても薄い部位。その皮膚の中でも、一番外側のバリア機能を担う「角質層」の厚さは、わずか0.02㎜で台所用品のラップと同程度の薄さしかありません。

このように、とてもデリケートな角質層は「こする」「すれる」などの摩擦刺激により、簡単に剥がれて薄くなってしまいます。
その結果、肌のターンオーバーのリズムが乱れ、未熟な細胞が肌表面に現れやすくなり、バリア機能が低下。未熟な細胞は、水分を十分に蓄えることができずに乾燥しやすく、肌荒れを引き起こしてしまうのです。

未熟な細胞は、水分を十分に蓄えることができずに乾燥しやすく、肌荒れを引き起こしてしまう

さらに気を付けたいのが、この摩擦ダメージの蓄積です。
肌が乾燥や荒れを起こすと、肌の中では小さな炎症が生じています。この炎症反応がメラノサイトを刺激して、くすみやシミの原因となるメラニン色素が過剰に作られることも。
さらに、摩擦ダメージによりターンオーバーが乱れていると、作られたメラニン色素の排出も滞ってしまい、くすみやシミの原因になってしまうのです。

炎症反応がメラノサイトを刺激して、くすみやシミの原因となるメラニン色素が過剰に作られることも。

肌のために「摩擦習慣」を見直そう!

日常生活の中で、肌に摩擦を起こしやすいのは、洗顔、スキンケア、メイクの3つのタイミングです。まずは、その3つの摩擦習慣を見直してみましょう。

1.洗顔「熟した桃をあつかうイメージで」

水分を「拭く」のではなく、「吸水させる」という意識で

メイクや汚れをしっかり落とそうと、自分が思っている以上に肌をこすってしまっている場合が多いです。実は、メイクの汚れを落とそうとして、洗いすぎたことによる皮膚炎やシミの方が、メイクが少し残ってしまったことによる皮膚のトラブルよりもずっと多いのです。
洗顔は泡で汚れを落とすように、肌に指や手が直接触れないよう意識して行ってみてください。

特に気をつけたいのが、アイメイクのクレンジング。
他の皮膚と比べて、目元の皮膚はより薄くデリケートです。強引にこすり落とすのではなく、専用のクレンジングをコットンや綿棒を使ってじんわりと馴染ませて、汚れを浮き上がらせるようにしてください。

洗顔後のタオルについても注意を忘れずに!
タオルで肌の水分を「拭く」のではなく、「吸水させる」という意識で、やさしく軽くお肌に当てるようにして水気を取ってみてください。熟した桃を扱うイメージで、摩擦レスな洗顔を目指しましょう。

2.スキンケア「手のひらでそっと温めるように」

肌に手のひらをそっと密着させ、温めるようなイメージ

スキンケアを行う際にも、皆さんやりがちな摩擦習慣があります。化粧水や美容液、クリームを「肌に浸透させたい」と思うあまり、叩き込んだり、強く塗り込んだりしていませんか?
そもそもスキンケアのために、朝晩顔にたくさんの化粧品を付けていると、それだけで肌の負担が増えてしまいます。化粧品の数は出来るだけ必要最小限にしましょう。

その上で、スキンケアを行う際、肌への摩擦を軽減するなら、手のひらに保湿剤を伸ばして、顔全体にそっと塗り広げたあと、じんわりハンドプレスでなじませるのがおすすめです。
「プレス」だからと、お肌をギュッと押すのではなく、肌に手のひらをそっと密着させ、温めるようなイメージです。
また、オールインワンタイプのスキンケアは、肌を触る頻度を減らせるので、摩擦を減らすためには有効です。

3.メイク「塗るというより、肌に置くイメージで」

ファンデーションをしっかり塗りこんだり、パフで叩き込むのは、思っている以上に肌に摩擦ダメージを与えています

ベースメイクやポイントメイクの際も、極力やさしくを心がけましょう。
毛穴やシミをカバーしようとファンデーションをしっかり塗りこんだり、パフで叩き込むのは、思っている以上に肌に摩擦ダメージを与えています。特に忙しい朝は、急ぐあまりに力が入ってお肌をこすりがちなので、時間にゆとりを持ってメイクするようにしてくださいね。

日焼け止めやファンデーションは、指のはら全体を使って一方向に伸ばし、力を入れすぎず、お肌に置いてくるイメージで。チークやアイシャドウを塗る際のメイクブラシも肌触りのやさしいものを使い、同様の心がけで扱いましょう。

知らず知らずのうちに肌にダメージを蓄積させてしまう『摩擦習慣』。普段の生活の中で、思い当たるものはありましたでしょうか?完全に肌への摩擦をゼロにすることは難しいですが、まずは「肌に触れる時には摩擦が生じている」ということを頭の片隅においておくだけでも肌の扱い方は自然と変わってくるものです。
気づいた今日が始め時!きっと未来の肌が喜んでくれるはずです。

村上皮フ科クリニック 村上早織 先生

監修:
村上皮フ科クリニック
村上早織 先生