腟カンジダは、誰にでも発病する可能性がある病気ですが、
まだまだ正しく知られていません。
ここでは、そんな腟カンジダについてご説明いたします。
腟カンジダとは?
腟カンジダとは、カンジダ菌という真菌(カビの仲間 )によって起こる腟炎です。
カンジダ菌は男女に関係なく、皮膚や口の中、腸にも存在する、もともと体にいる菌の一種です。菌が存在するからといって必ず発症するとは限りませんが、何らかのきっかけで菌が繁殖する事で発症する疾患です。
女性の場合、腟内の菌バランスが崩れて、カンジダ菌が繁殖すると、腟カンジダを発症します。腟と外陰部の炎症を合併することが多く、「外陰腟カンジダ症」ともいわれます。婦人科領域の感染症の中では、比較的よく見られる疾患ですが、適切な治療を行うことが大切です。
腟カンジダの典型的な症状
腟カンジダにかかると、外陰部のかゆみと、おりものの見た目や量に変化がおこり、ときに、外陰部の熱感、痛み、腫脹感も伴います。おりものの性状は、 腟カンジダ特有のおかゆ(カッテージチーズ )状や白く濁った酒かす状となります。
腟カンジダの治療方法
腟カンジダが疑われる場合、婦人科または産婦人科を受診します。検査の内容は、腟および外陰部の症状を調べ、腟鏡を入れておりものの性状を検査します。
腟カンジダと診断された場合、抗真菌薬の腟錠等で治療します。カンジダ菌は、水虫の原因菌(白癬菌)などと同じ真菌です。真菌は細菌とは細胞の構造が異なり、治療には抗真菌薬を用います。
カンジダ菌には抗真菌剤であるイソコナゾール硝酸塩などが使われています。治療期間は1週間が目安です。
女性の5人に1人が経験したことがあり、過半数の人が再発している腟カンジダ。何よりも、早期に治療を開始すること、そして、疾患の理解が大切なのです。