2023年3月3日 更新

妊活で大切なこと。
ふたりの将来計画から始めよう

  • 夫婦
  • 将来計画
  • 妊孕性

時計のイラスト読了時間:2分

セント・ルカ産婦人科 院長 宇津宮 隆史 先生

セント・ルカ産婦人科 院長 宇津宮 隆史 先生

監修

セント・ルカ産婦人科 院長
宇津宮 隆史 先生

熊本大学医学部卒業。1988年九州大学生体防御医学研究所講師、1989年大分県立病院がんセンター第二婦人科部長を経て、1992年セント・ルカ産婦人科開院。
国内でいち早く不妊治療に取り組んだパイオニアのひとり。

妊活のこと、夫婦でもっと話そう

悩んでいる女性のイラスト

妊活中ですが、夫が協力的でなく困っています。患者さまにも、そのような境遇の方はおられますか?

宇津宮 隆史 先生

不妊外来にお姑さんが来られて、子供ができない理由について尋ねられたことがあります。お姑さんはお嫁さんの方に原因があると思われていましたが、プライバシーに関わりますから原因についてはお話せず、お帰り頂いたことがあります。夫婦ふたりだけで妊活と向き合うことができていないのだな、と感じた瞬間でしたね。

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夫婦で妊活の話をすると、いつもギクシャクしてしまいがちです。どうしたら良いのでしょうか?

宇津宮 隆史 先生

夫婦で妊活をするうえで大切なことは、2つあります。

1つめは、お互いのからだのことを理解することです。特に男性は、女性のからだについてご存知ない方が多い印象です。
新患の方には必ず、セミナーを夫婦で受講していただくことにしていますが、受講後のアンケートで「女性のからだの中を知ることが、恥ずかしいことだと思っていた」という感想を見たことがあります。男性も決して、知りたくない訳でないと思いますので、ふたりで一緒に学ぶきっかけがあると良いと思います。

2つめは、夫婦でこれからどんな人生にしたいかの「将来計画」を話し合うことです。ふたりが夫婦になった時のことを、思い出してみましょう。結婚するときは、子供を授かるためではなかったはずです。「この人と一緒に暮らしたい」と純粋にそう思ったでしょう。

そして楽しい思い出もでき、2人の赤ちゃんが欲しくなった。その気持ちを大切にして欲しいのです。

妊孕性(にんようせい)の変化も考えながら

悩んでいる女性のイラスト

将来計画を話し合う時に、考えておくべきポイントはありますか?

宇津宮 隆史 先生

加齢に伴って妊孕性(妊娠する力)が低下していくという事実は、押さえておいてください。とくに、女性は30歳以降に妊娠率が低下し、35歳前後からは、妊娠率の低下と流産率の増加が起こってきます。
いつでも自然妊娠ができるという前提ではなく、からだの老化や病気のリスクなども考慮しながら、将来計画を話し合うことが大切です。

生殖補助医療による妊娠率と流産率の年齢別推移(2019年)

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