【ドクターズインタビュー】かゆみや肌トラブルの原因にもなる、乾燥を引き起こさない肌を保つ秘訣

【ドクターズインタビュー】小柳 衣吏子先生インタビュー「かゆみや肌トラブルの原因にもなる、乾燥を引き起こさない肌を保つ秘訣」

肌の乾燥は、かゆみを引き起こす大きな要因のひとつ。乾燥しにくい肌を保つための秘訣や、乾燥が気になる場合の適切なケア方法について、美容皮膚科アオハルクリニック院長の小柳衣吏子先生にうかがいました。

乾燥が気になる身体のお手入れ

乾燥が気になる身体のお手入れ

身体の乾燥が気になる時のケア方法について教えてください。

「基本は保湿剤を塗ることです。ドラックストアなどで買えるもので、ボディクリーム、ボディミルク、ボディローションなど、自分の塗りやすいと思うものを選ぶと良いと思いますよ。」

入浴時のケア方法について教えてください。

「43℃以上の高温での入浴やシャワーは避けるようにしましょう。高い温度のお湯は皮脂などを洗い流しすぎてしまい、肌の乾燥に繋がります。

かゆみを感じる場合は特に、ナイロンのタオルなどでゴシゴシこすり洗いをしてしまいがちですが、よりかゆみを助長させてしまいます。手で洗うことをオススメします。

また、身体は部位によって、乾燥しやすい部分とそうでない部分があります。足の裏や、皮脂腺の多い背中や胸、陰部などは洗浄剤をつけて洗い、乾燥が気になる部位は、洗浄剤を使わずお湯で洗い流すだけにすると良いと思います。」

身体の中で乾燥しやすい部位を教えてください。

「腕や下腿、腰回り、肩口が乾燥しやすい部位です。乾燥から皮脂欠乏性湿疹にまで進行している人も多い部位なので、そういった部分は特に保湿を心がける必要があります。」

頭皮の乾燥が気になる場合のケア方法について教えてください。

「シャンプーには界面活性剤が含まれていますから、しっかりと洗い流すことが大切です。それから、爪を立てるような洗い方も避けるようにしましょう。頭皮用の保湿ローションも市販されていますので、そういったものを使用するのも効果的です。」

就寝前のケア方法について教えてください。

「本来は1日2回の保湿を行うのがベストと言われています。ですが、毎日それを続けるのは大変ですよね。乾燥が気になるのであれば、少なくとも入浴後などに1日1回はしっかりと保湿剤を塗るようにすると良いでしょう。」

赤ちゃんやお年寄りのケア方法について教えてください。

「思春期までの子どもやお年寄りの肌はとても乾燥しやすい傾向にありますので、全身の保湿を心がけると良いですね。保湿のためのケア方法自体は、年齢によって特に変わりはありません。」

乾燥が気になる顔のお手入れ

乾燥が気になる顔のお手入れ

クレンジングのポイントを教えてください。

「肌を擦らないことが大切です。少量のクレンジング剤で強く擦ると肌にダメージを与えてしまいますので、推奨されている量を手にとって、なじませてから優しくクレンジングするようにしましょう。」

洗顔のポイントを教えてください。

「乾燥肌の場合は、朝はぬるま湯のみで洗顔したり、皮脂の出やすい鼻やあごだけに洗浄剤をつけて洗ったりと、自分の肌の状態や部位ごとに合った洗顔をすることが重要です。

それから、ゴシゴシと擦らない、高温のお湯で洗い流さない、洗顔後は柔らかいタオルで優しく水分を吸い取るなど、基本的な部分ももちろん大切です。」

保湿ケアのポイントを教えてください。

「肌は人によって全然違いますから、保湿ケアのポイントも人それぞれです。他の人が使っているスキンケア商品が、自分にも適しているとは限りません。肌の状態や年齢に応じて、しっかりと自分に合うものを選ぶことが大切です。

また、男性でも乾燥が気になるようであれば、保湿のスキンケア商品を使うようにしてくださいね。特にヒゲ剃りをすると肌の角質が傷つくため、ケアが必要です。」

ベースメイクのポイントを教えてください。

「保湿剤をたっぷり塗って、保湿した上でメイクをしましょう。日焼け止めの中には肌を乾燥させやすいものもありますが、最近は保湿効果のある日焼け止めも出てきています。お化粧直しの際には、ミスト化粧水を使うのも効果的ですよ。」

日常生活での乾燥対策

日常生活での乾燥対策

スキンケア以外の乾燥対策を教えてください。

「部屋の空気が乾燥しすぎないよう、湿度に気をつけましょう。気密住宅で暖房をつけていると、どうしても部屋の空気が乾燥しますので、加湿器や濡れタオルを干すなどして湿度を保つよう工夫してください。

ただ、加湿はすればするほど良いというわけではなく、結露するほど加湿した部屋からカラカラに乾いた室外に出ていくと、湿度差によって肌には大きな負担がかかってしまいますから、適度な加湿が大切です。

また、電気毛布やこたつも肌を乾燥させやすいので、使用時間には注意が必要です。」

こんな時どうしたらいい?乾燥肌にまつわるQ&A

  • 粉をふくほど身体が乾燥している場合、何か特別なケアは必要ですか?

    毎日1~2回以上、たっぷりと保湿剤を塗ると良いです。もし赤みやかゆみがある、かさぶたや掻き傷ができているなど、皮膚炎に進行している場合は皮膚科を受診した方が良いですね。

  • 身体も顔と同じく、ボディローション、ボディミルク、ボディクリームなど複数のアイテムを重ねて塗った方が良いのでしょうか?

    必ずしも重ねて塗ることが必要というわけではありませんが、乾燥が強い場合は重ねて塗った方がより効果的です。

  • 乾燥が気になる時に、日焼け止めを塗っても大丈夫ですか?

    もし皮膚炎にまで進行している場合は、湿疹が悪化する可能性がありますので、日焼け止めを塗るのは避けた方が良いでしょう。乾燥が気になるというレベルであれば、きちんと保湿剤を使ってから、日焼け止めを塗るようにしてください。

  • 乾燥が気になる時に、ダブル洗顔はしても良いのでしょうか?

    避けた方が良いです。メイクは薄めにして、クレンジングのみにしましょう。

  • 混合肌の場合はどのようなケアをしたら良いでしょうか?

    乾燥しやすい部位を重点的に保湿するようにします。洗顔のポイントと同じく、顔の部位ごとの状態に合わせたケアを行うことが大切です。

  • 保湿剤を塗って紫外線を浴びると色素沈着するというのは本当ですか?

    本当ではありません。関連のないものです。

  • 保湿すると肌を甘やかすことになるというのは本当ですか?

    そんなことはありません。乾燥していると感じたら、しっかりと保湿を行いましょう。保湿することによるデメリットは特にないと考えてください。

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小柳 衣吏子 先生
アオハル クリニック院長 小柳 衣吏子先生
平成10年順天堂大学医学部卒業後、平成23年、アオハルクリニックの院長に就任する。順天堂大学医学部 皮膚科助教(非常勤)、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本美容皮膚科学会会員、日本抗加齢医学会専門医。

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