(2)蕁麻疹の主な症状・種類

<知っておきたい>「蕁麻疹(じんましん)」の正しい知識 (2)蕁麻疹の主な症状・種類

ひと口に蕁麻疹といっても症状はさまざまです。「これって蕁麻疹?」と、対処法に悩んだ経験はありませんか?ここでは、蕁麻疹の種類やできやすい身体の部位、また、子どもや赤ちゃんに多い蕁麻疹の発症例についてみていきましょう。

主な蕁麻疹の症状

主な蕁麻疹の症状

蕁麻疹が発症すると、部分的に皮膚が盛り上がって赤みを帯びる膨疹(ぼうしん)ができ、灼熱感とかゆみがでます。ただし、似た症状であって蕁麻疹ではないことも考えられるので、蕁麻疹の特徴を知って判断することが大切です。

判断する材料として、まず、発症するタイミングとかゆみが継続する時間の長さがあります。発症するタイミングで多いのは、食事をした後、化学的なものや薬品に触れた後。また、熱い、寒いなど急激な温度変化があった環境下にいた後です。さらに、ストレスを感じたり、疲れていたりすると発症しますし、蕁麻疹自体がその痒みでストレスになります。また、寝る前に身体が温まることによって、夜に発症することも多いとされています。

食物アレルギーによる蕁麻疹は、食材を食べてから30分~1時間以内に発症します。蕁麻疹を発症した30分以前に、今まで食べたことのないものを口にしなかったか確認しましょう。温熱蕁麻疹、寒冷蕁麻疹では、お風呂上りや冬季に冷たい風にあたった後に発症するケースがみられます。

皮膚に現れた蕁麻疹は、24時間以内に症状が治まることが大半で、長く継続しないのも特徴のひとつです。2008年までの調査結果では、慢性蕁麻疹で6週間以上症状が続いているのは全人口の0.5~1%と少ない数です。このことから、症状が数日たっても継続しているようなら、蕁麻疹以外の可能性を疑ったほうがよいでしょう。病院の問診の際には、「いつから」「どこに」「どんな感じ」「どんなときに」「どの程度の蕁麻疹がでたのか」といったことを聞かれますので、症状がでたときにスマホで写真を撮っておいたり、メモを残しておいたりすると問診の際に役立ちます。

蕁麻疹の種類

蕁麻疹の種類

蕁麻疹の種類としてはこれまで紹介した以外にも、以下のようなものがあります。

種類
  • アスピリンアレルギー

    痛み止め、解熱剤、風邪薬などの薬を服用した後に発症します。

  • ラテックスアレルギー

    天然ゴムに含まれるラテックスが原因となります。ゴム風船、輪ゴム、炊事用手袋、絆創膏などに接触することで発症します。

  • 機械性蕁麻疹

    皮膚を擦ったりかいたりすることで発症します。衣服が身体の動きで擦れることが原因になることもあります。

  • 日光蕁麻疹

    外出時に紫外線にあたることで発症します。紫外線量が多い4~9月に多いケースです。

  • 遅延性圧蕁麻疹

    皮膚に対して圧力がかかることで発症します。下着のゴムやベルト、腕時計のバンドなどの締め付けが原因になります。

  • コリン性蕁麻疹

    発汗刺激により症状が出現する蕁麻疹のことです。入浴や運動、ストレスなどにより、汗をかくことがきっかけとなります。一部の方には汗に対するアレルギーがみられることもあります。

  • 振動蕁麻疹

    皮膚への振動により発症します。振動を与えるマッサージ機などによる刺激が原因になります。

  • 水蕁麻疹

    世界に100例とまれなケースではありますが、水に触れることで発症する蕁麻疹もあります。

原因が特定できない場合は特発性蕁麻疹として抗ヒスタミン薬などによりかゆみをおさえます。また、蕁麻疹とよく似た症状でも蕁麻疹ではないケースとして、ダニやムカデによる虫刺され、ヘルペスウィルスやマイコプラズマなどの感染症からくる多形紅斑、生焼けの椎茸が原因のシイタケ皮膚炎などがあります。

盛り上がった発疹とかゆみがあっても皮膚が赤くならない場合は、皮膚の表面より体内に近い部分で起こる血管性浮腫です。血管性浮腫は身体のどこでも起こり、口やのどといった粘膜で起こることもあります。ストレスや飲用している薬が原因になりやすい症状で、蕁麻疹よりも治りが悪く数日かかることもありますが、痕を残さずによくなります。

かゆみをましにするには、蕁麻疹に効果があって副作用の少ないとされている外用薬をまずは使うのも1つの方法かもしれません。

赤ちゃん・子どもの蕁麻疹について

赤ちゃん・子どもの蕁麻疹について

子どもと大人では、蕁麻疹の特徴に違いがあります。蕁麻疹を経験している人は4~5人に1人の割合と多く、一生のうちに一度は経験するといわれています。蕁麻疹の大部分を占めるともいわれるのが、急性蕁麻疹と、慢性蕁麻疹です。急性の蕁麻疹は子どもに多く、慢性の蕁麻疹は大人に多くみられます。原因にも違いがあり、子どもの場合は上気道炎などの感染症や食べ物からくるものが多く、大人の場合はストレスや環境によるところが多いことが分かっています。また、機械性蕁麻疹、遅延性圧蕁麻疹、アスピリン蕁麻疹は子どもでは少ないのに対して、大人では多い傾向にあります。

子どもに多い食物アレルギーによる蕁麻疹の場合は、発疹以外にものどのイガイガや目のかゆみ、ひどい場合は嘔吐、下痢、呼吸困難などの症状が現れることがあります。皮膚以外の症状がある場合、アナフィラキシーといって全身性の重症アレルギー症状ですので、すぐに治療が必要です。アレルギーを起こしやすい食材は、0~6歳までは鶏卵が一番多く、7歳以上では甲殻類が多くなります。

また、子どもでは伝染性紅斑、いわゆるリンゴ病と蕁麻疹を間違えて来院される方も多くいらっしゃいます。レース状のカーテンのような淡い赤い発疹が現れ、かゆみをともなうことから、蕁麻疹と思いこんでしまうようです。

蕁麻疹が起こりやすい箇所

蕁麻疹が起こりやすい箇所

蕁麻疹は、太腿、腹部、臀部、膝の後ろ、頰、首といった皮膚のやわらかいところに発症しやすい傾向があります。ただし、足の裏や手の甲、頭皮といった部位に発症することもあります。蕁麻疹が発症する可能性は全身に及びます。まれに、口の中や咽頭、気道に発症するケースもあり、かゆみと同時に息苦しさや声枯れなどの症状が現れることもあります。

なお、蕁麻疹はかいたり擦ったりすることによって、さらにヒスタミンやロイコトリエンなどのアレルギー反応を起こす物質が血管にばらまかれるので、触るとどんどん赤くなってかゆくもなる、という悪循環が起こりやすいです。ミミズ腫れのようになると跡がしばらく残ることも考えられるので、できる限り患部に刺激を与えないように心がけてください。

参照元:『じんましんの「真」常識』清益 功浩(医薬経済社)

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清益 功浩 先生
監修:大和高田市立病院 小児科部長 清益 功浩 先生
1992年京都大学医学部卒、1999年京都大学大学院卒。医学博士、日本小児科学会認定専門医・指導医、日本アレルギー学会認定専門医・指導医。著書に、『アトピー治療の常識・非常識』(医薬経済社)、『じんましんの「真」常識』(医薬経済社)などがある。

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