みんなの妊活

ここ数年、妊活における社会環境や制度とともに、私たちの価値観や行動も変化を続けています。自分らしく生きていくために、自分らしい選択をしていくために、いま、私たちに必要なことは何なのでしょうか。
ロート製薬では、人々の「子どもを授かりたい」という思いに寄り添い、妊活をサポートする製品の研究開発や妊娠に関する正しい知識の情報発信など、さまざまな取り組みを行ってきました。その取り組みの一環として、妊活に取り組む人・取り組もうとする人に焦点を当てた『妊活白書』を、2018年より公開しています。
6回目を迎える「妊活白書」では、妊活・妊娠・出産を取り巻くリアルな声にもっと寄り添い、現状を理解するだけではなく前進のヒントを得るために、規模や対象者を拡大して調査を行いました。
多様な価値観が当たり前な現代で、自分らしい人生を選択していくためにも、自分やパートナーの身体に関する正しい知識を得ることは非常に大切です。調査結果から明らかになった課題に対し、少しでも問題解決につながる提案を考えていきたいと思います。

未婚男女が子どもを持つことの意向

若年未婚男女の過半数は、「今も将来も子どもが欲しくない」

  • 若年未婚男女

現在、そして将来子どもが欲しいかどうかを経年で聞いています。子どもが欲しいと思わない未婚男女(18~29才)の割合は年々増え続けており、今年はついに5割を超えました。また、男女別に見ると、女性よりも男性の方が子どもが欲しくないと考える人が多く、男性の約6割が子どもを欲しくないと回答しました。

  • 若年未婚男女の過半数は、「今も将来も子どもが欲しくない」
  • 若年未婚男女の過半数は、「今も将来も子どもが欲しくない」

子どもを授かれる可能性を残しておきたい意向

ただし、子どもを望まない女性の約4人に1人は、
子どもを授かれる可能性を残したい「妊活備え派」

  • 若年未婚男女

  • 若年未婚
  • 女性

  • 子どもを望まないが、
    授かれる可能性を
    残したい女性

子どもが欲しくないと回答した未婚男女のうち、男女合わせると約5人に1人、妊娠について年齢的な制約の大きい女性では約4人に1人が、将来考えが変わったときには子どもを授かれるように、妊娠ができる身体の状態を維持しておきたいと答えました。

  • 将来、子どもが欲しいかどうか
  • 将来、子どもが欲しくない

さらに、そのような現時点では今も将来も子どもが欲しくないけれど、将来考え方が変わった時のために子どもを授かれる可能性を残しておきたい(望めば子どもを授かれる身体の状態を維持しておきたい)女性(18~39才)の約5人に1人は「卵子凍結」に興味を持っていることも分かりました。

将来、子どもが欲しいかどうか

妊活経験を振り返って

妊活経験者の約7割は「妊活前に想像したよりも妊娠は成功しづらかった」

  • 妊活経験女性

一方で、実際に妊活を経て子どもを授かった経験のある女性(出産時の年齢18-44才 ※妊娠中の場合は現在の年齢)の68. 8%が「妊活開始前に想像したよりも妊娠は成功しづらい」、58. 4%が「もっと早くから妊活を始めておいた方がよかった」と回答しています(回答割合は「あてはまる」と「ややあてはまる」の合計)。
いずれの回答割合も、出産時の年齢が上がるにつれて上昇する傾向が見られます。

妊活経験を振り返って

妊活経験を振り返って

妊活経験を振り返って

妊活時の年齢に比例して妊娠までにかかる時間は顕著に伸びており、
妊活経験者の65%が「 若い頃に妊娠・出産に関する正しい知識を得ておきたかった」

  • 妊活経験女性

妊活を経て子どもを授かった経験のある女性(出産時の年齢18-44才 ※妊娠中の場合は現在の年齢)が、実際に妊活を始めてから子どもを授かるまでにかかった期間の平均は13.6ヶ月でした。その期間は、出産時の年齢に比例して延びており、20才前後と40才前後では12.8ヶ月もの開きがありました。

妊活経験を振り返って

妊活を経て子どもを授かった経験のある女性の65.0%が「若い頃に妊娠・出産に関する正しい知識を得ておきたかった」、67.5%が「妊娠に関する知識を得る機会が不足している」と回答しています(回答割合は「あてはまる」と「ややあてはまる」の合計) 。

妊活経験を振り返って

妊活を経て子どもを授かった経験のある女性が【最後に学校で性教育を受けた年齢】は、平均14.8才。また、子どもを“授かるため”の基礎的な妊活知識、例えば「排卵の3日前から排卵日翌日までが妊娠しやすい」「女性の妊娠する力は35才前後からだんだんと下がり始める」などについて、「学校の授業で学ぶ機会があった」という回答は29.2%でした。
インターネットの普及により昔に比べて情報が得やすい環境になる一方で、子どもを“授かるため”の適切な知識を、必要なタイミングに向けて早期に得る機会は、いまだに不足していることがわかる調査結果となりました。
学校教育やご家庭だけでなく、社会全体で、子どもを“授かるため”の正しい知識を学ぶ機会が必要とされていると実感しています。私たちロート製薬は、妊活に関する研究や商品開発を続けてきた製薬会社として、これからもご提案を続けます。

妊活の知識について

妊活の基礎知識量について、男女で倍近く開きがあり、
女性がインターネットで情報を調べて、男性パートナーに伝えている構図が伺える

  • 既婚男女

妊活や出産に関する現在の情報源について見ると、いつかは子どもが欲しいと考えている既婚男女(25~44才)の間では、女性は主にインターネット検索から、男性は主にパートナーから情報を得ており、女性が自分からインターネットで検索し、その情報を男性パートナーに伝えている構図が伺えました。

妊活の知識について

妊活の知識について

「ふたり妊活」の意識変化

「ふたり妊活」実施率は50%越えるも、妊活基礎知識量のギャップに課題

  • 既婚男女

ロート製薬は、「ふたり妊活=女性も男性も、パートナーと一緒に向き合い妊活すること 」を企業活動を通じて提唱しています。
いつかは子どもが欲しいと考えている既婚男女の本年度の「ふたり妊活」の実施率は51.3%で、昨年度から微増していました。
しかし前項の通り、妊活に関する知識の男女のギャップについては、まだまだ改善の余地があると考えられます。

「ふたり妊活」の意識変化

キャリア女性の妊活

全体傾向に反して、収入の安定している若年未婚女性は
むしろ子どもを望む傾向。他方、妊活経験者の8割弱は
「仕事とバランスをとりながら妊活を続けるのは大変だった」

  • 若年未婚
  • 女性

  • 妊活経験女性

少し視点を変えて女性のキャリアと妊娠について目を向けると、若年未婚女性(18~29才)の中でも、年収が20代女性の平均を超える個人年収300万円以上の層では、子供が欲しくない人の割合が27.9%まで低下し、安定した収入のある有職女性は、若年層の中でもむしろ子どもを望んでいる傾向が伺えました。

キャリア女性の妊活

それに対して、妊活を経て子どもを授かった経験のある女性(出産時の年齢18- 44才)の50. 7%が「妊活の影響で仕事やキャリアプランを変更する必要が生じた」、76.5%が「仕事とのバランスを取りながら妊活を続けるのは大変」と回答しています(回答割合は「あてはまる」と「ややあてはまる」の合計) 。

キャリア女性の妊活

「子どもが欲しくない」という声は変わらず多い一方で、少し丁寧に声を聞いていくと、そこにはグラデーションやゆらぎが見えました。例えば、若年層の中でも仕事をしている未婚女性はむしろ子どもを望む傾向にあったり、子どもを望まないながらも、将来考えが変わったときのために「子どもを授かれる可能性を残しておきたい」という人も。
妊活や卵子凍結に関する制度のニュースも増え、選択肢やその可能性が目に見える形で多様になってきた昨今。調査を通して感じたのは、キャリアや年齢・経済状況・様々なことを、今だけでなく将来も含めて考え、悩みながらも自分らしい人生を選びとっていこうとする、前向きな意志のようなもの。そして「選択肢」そのものが、大きな価値と可能性を持ち、人生を前に進めるための大きな安心材料だという感覚。
そんな「選択肢」を支えてくれる大切なもののひとつは、適切な教育・知識。しかし、学校で「性教育」は受けたことがあり、避妊についての基礎知識はあったとしても、妊活・出産など“授かるため”の知識を学ぶ機会は少なく、男女のギャップも変わらず顕著です。
今回の結果を踏まえて、妊活を意識している方々だけでなく、いつか子どもを欲しいと思うすべての方、若年層、男女関わらず、妊活にまつわる身体のこと、妊活・出産の基礎知識を当たり前に得て頂くこと、その機会のご提供が重要だと感じました。自分らしい人生を考え選びとるための「選択肢」は、そこから始まるはずだから。
ロート製薬は、今回の調査からの学びを励みに、これからも、変化し続ける社会と「ひとりひとり」の声に寄り添い、誰もが自分らしい人生を選んでいけるよう、みなさんと一緒に少しずつ前進していきたいと思います。

キャリア女性の妊活

卵子と精子が主人公の妊活エデュテインメント!

「めげない!卵子ちゃん!」公開

めげない!卵子ちゃん!

いつか子どもが欲しいあなたに贈る、卵子と精子の物語。

「精子ぃくん」との逢瀬を待ち望む健気な主人公
「卵子ちゃん」の日常を通して、
妊活に大切な卵子の知識が学べる
“ 妊活エデュテインメント”WEBアニメです。

めげない!卵子ちゃん!

「妊活白書2023」では、妊活に関する正しい知識を得る機会の少なさや、男女間の知識ギャップも変わらず存在していること、早期からの学びを求める声が明らかとなりました。多様な価値観が当たり前になっているいま、自分らしい人生の選択をしていくためにも、自分やパートナーの身体に関する正しい知識を得ることは非常に大切です。
私たちロート製薬は、この調査結果から見えてきた課題にこたえるべく、若年層・男女関わらずあらゆる人にお届けする妊活エデュテインメント「めげない!卵子ちゃん!」の制作・公開に至りました。
「めげない!卵子ちゃん!」の動画では、普段あまり理解・意識されていないものの、妊活のまさに主人公とも言える「卵子」と「精子」をキャラクター化。妊活を考える人にとって大切な知識を、ちょっぴり切なくも可愛らしい卵子ちゃんの日常を通して楽しく伝えています。パートナーや大事な方ともぜひ、ご覧ください。

動画はこちらから