ベストタイミングの幅は案外広い
妊娠の可能性を高めるベストなタイミングはわかったのですが、ちゃんとパートナーと予定を合わせられるか不安で…
絹谷 正之 先生
そのような相談は、患者さんからもよくいただきます。「排卵日の2~3日前」が理論上の最も妊娠可能性が高いと考えられる性交のタイミングではありますが、その日に決め打ちする必要はありません。
精子には長ければ5日も寿命があるということをポジティブに認識してみてください。排卵日の4~5日前のタイミングでも妊娠の可能性は十分にありますので、ぴったり合わせることにこだわらずに、排卵日より前にタイミングを1度でも持てれば良いと考えてみてはいかがでしょうか。
また、タイミングを多くとれそうな場合には、月経が終わってから4~5日経ってから1日おきに排卵が終わるまで2~3回タイミングを持つ方が、決め打ちするよりも精子がフレッシュにもなって受精の可能性をより高めてくれると思います。
なるほど、その方が楽な気持ちで妊活に臨めそうですね。
ですが、もし受精できていた場合、受精後の性交は着床に何か影響を与えたりしませんか?
絹谷 正之 先生
医学的にも私の臨床経験からも、受精後の性交が着床の邪魔をするなどの影響はないと考えています。排卵後だから安静に過ごさなきゃ…などと思わずに、いつも通りの日常生活を送った方がよいですよ。
妊娠にとってストレスは良くないので、何事も気にしすぎないでくださいね。「今周期はタイミングが合わなかったから諦めていたわ」なんて時にかえって妊娠される方も多くみています。
最後に、この記事を読まれた女性に一言お願いします!
絹谷 正之 先生
受精するために性交をどのタイミングでとるかは大切ですが、その幅は案外あるということ、正しく認識いただけましたでしょうか。排卵は月に1度のタイミングなので、1回1回を逃したくないと気持ちが焦ってしまいがちですが、本当は、そのように焦る前から妊活に取り組めるのが理想ですよね。
そのためには、今はまだ子供を授かりたいタイミングではないかなと思う方も、妊娠についての正しい知識、特に年齢とともに妊娠しづらくなるという事実はぜひ早くから知っておいていただきたいなと思います。