精子と卵子の出会いから着床へ
次に、射精された精子はどのようにして卵子のところまでやってくるのか教えてください!
絹谷 正之 先生
まず射精された精液は、子宮内には入りません。そして膣と子宮を結ぶ3~4㎝程の『子宮頸管』を精液の中から精子のみが泳ぎ上がって子宮の中へと入っていきます。
このとき、頸管の壁から分泌される『頸管粘液』がとても大切な役割を果たしています。通常、頸管粘液は子宮内に菌などが侵入しないよう守る役割しているのですが、排卵が近づくと粘液の分泌量が増え、また透明で水っぽく、よく伸びるようになり、精子が子宮内に侵入するのを助けてくれます。
そして子宮内に入った精子は卵管を通り、排卵された卵子が運ばれる卵管膨大部へ到達し、卵子がやってくるまで待機しているのです。
子宮の中に直接精液が入ってくるのではないのですね…!
小さな精子が自分で泳いでいくとなると、かなり時間がかかりそうですね。
絹谷 正之 先生
子宮の入口から卵管膨大部まで約18cmもあるので、その距離を精子が自力で泳いでいくとなると、かなりの時間がかかると思われます。
ですが、実際には子宮が収縮することでポンプの役割をして精子が卵管まで進むのを手伝い、射精から早くて数分、遅くとも数時間で精子は卵管膨大部まで辿り着くのではないかと考えられています。
思っていたよりも早くて驚きました!
卵子も精子も、このような過程を経て、ようやく出会えるのですね。
絹谷 正之 先生
卵管膨大部で精子と卵子が出会えると、精子は頭の方から卵子の殻を突き破って中に侵入し、精子と卵子が一つになります。これが受精です。
受精した受精卵は卵管の中で細胞分裂を繰り返しながら成長し、受精から5~7日後に子宮内膜に着床し、妊娠に至ります。