緑内障サポートナビ

緑内障ってどんな病気?

視神経について

ものが見えるしくみを
ご存じですか?

眼の中に光が入ると、眼の奥にある網膜の細胞から電気信号が発生し、視神経を通じて脳へ伝わります。ここで初めて脳で「見えた」と感じることができます。健康な眼では約140万本の神経線維が集まって、眼と脳をつなぐ視神経となっています。

緑内障とは?

緑内障とは、視神経を構成する網膜神経節細胞が障害されて起こる眼疾患です。

この細胞がダメージを受けると、関連する視野の一部が欠損し、徐々に進行します。一度障害を受けた細胞は、復活することはありませんが、早く見つければ進行を食い止めることで、今の日常の視野を維持することが出来ます。

緑内障の原因は?

緑内障の原因は、眼圧の上昇や加齢、血流、近視、遺伝など多岐に渡ります。
※眼の内側から外側にかかる圧力

疫学調査(多治見スタディ)において、日本人の緑内障患者の半分以上は眼圧が正常にもかかわらず緑内障を発症する「正常眼圧緑内障」であることが分かっています。 そのため、眼圧以外のご自身の緑内障リスク因子についても考慮することが大切です。

緑内障の原因はさまざま・・・心当たりはありませんか?

眼圧と緑内障の関係

緑内障の原因は前述した通り様々ですが、症状の進行を防ぐためには眼圧を下げることが有効であることがわかっています。正常眼圧緑内障の患者さんであっても、眼圧を下げる治療により進行を遅くすることが可能です。
また、眼圧の値は1日の中でも一定ではなく、高くなったり低くなったりを繰り返しています。過去に一度測定した眼圧が正常であっても、気になることがあれば眼科を受診してみましょう。

緑内障の症状は?
進行は早い?

緑内障は、進行するまでほとんど自覚症状はありません

実際に、緑内障学会が行った大規模調査(多治見スタディ)では、緑内障と診断された方の約90%が症状に気づいていなかったという事実が明らかになりました。

その理由は、片方の目の視野が障害されていても、もう片方の目が見えている範囲を補うからです。それだけでなく、脳が画像を補うことで、矛盾がないようにイメージを作り出してもいます。

両目が緑内障の時の見え方
(※画像は一例です)

  • 両目で見たとき
  • 左目で見たとき

    一部左側の風景がぼやけて
    見えています。

  • 右目で見たとき

    右側にいるはずの親子が
    見えません

両目で見ると視野の欠けに気づけないわ!

最初の症状は“小さなかすみ”でも、数十年という長い期間をかけて少しずつかすみの範囲が広がってくる場合がほとんどです。そのため変化に気づきにくく、結果として発見が遅れてしまうこともあります。

緑内障による視野のかすみが強くなってくると、足元が見えずにつまずきやすくなる、車の運転中に信号を見逃す、文章の一部が見えにくいために読書のスピードが遅くなる、などの症状があらわれて、日常生活にも困難が生じることがあります。

緑内障はどうやって
診断するの?

緑内障の発見のためには、自己判断ではなく病院で眼底検査などをする必要があります。早期に発見できると、治療によって進行を遅くすることができます。

おかしいなと思ったら、すぐに病院を受診するようにしましょう。

緑内障
早期発見のためには
眼科を受診しましょう

緑内障を発見するためには、
眼科を受診して
眼底検査などを
する必要があります。
眼底検査のない
健診だけでは不十分です。
眼について気になることがあれば、
眼科医に相談しましょう。

※カメラ等で、眼の奥の血管、
網膜、視神経等を調べる検査

監修
東北大学
医学部眼科学教室 主任教授
中澤 徹先生
医療従事者様向け情報サイト - ロートプロフェッショナルサイト 眼疾患早期発見コンソーシアム