<知っておきたい>「フケ」の正しい知識 (2)「フケ」の予防・対処法を解説
病気が原因のフケでなければ、食事や睡眠、生活リズムなどの生活習慣を見直すことがフケ増加の予防に役立ちます。あわせて、間違った洗髪法やヘアケアなどがさらなるフケを招く可能性もあるため、注意が必要です。フケの一般的な予防・対処法について、皮膚科医監修のもと解説します。
フケの予防法
フケを予防するうえでは、原因をおさえたアプローチが欠かせません。状態に合わせて、次のような対策を取り入れましょう。
基本的な予防法
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正しい方法で洗髪する
頭皮や髪を洗いすぎても、洗い残しやすすぎ残しがあっても、フケの増加につながります。乾性フケがみられるときは洗浄力が強いシャンプーの使用は避け、洗いすぎに注意します。一方で、脂性フケが目立つときはこまめに洗髪して、余分な皮脂をやさしく洗い流すことが大切です。
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ドライヤーの熱に注意する
頭皮から近い位置で温風を当てつづけると、頭皮にダメージを与え、フケや乾燥、炎症などのトラブルを招いてしまいます。ドライヤーを使う前にタオルドライをしっかり行い、頭皮から20cmほど離した位置でドライヤーを持ちましょう。ずっと同じ場所に温風が当たらないよう、ドライヤーを持つ手を左右に振って熱を分散させながら乾かします。
髪を乾かさないままヘアゴムでくくったり寝てしまったりすると、頭皮が蒸れて雑菌が繁殖しやすくなるので注意しましょう。
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頭皮に触れるものの清潔を保つ
タオルや枕カバーなどの頭皮に触れるものは、こまめに洗って清潔を保ちます。
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規則正しい生活を送る
生活リズムの乱れがホルモンバランスに影響を与え、頭皮のターンオーバーの乱れにつながります。なるべく休日も決まった時間に寝起きして、生活リズムを整えましょう。
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栄養バランスのよい食事をとる
健やかな頭皮を育むためにも、肌トラブルを避けるためにも、栄養バランスのとれた食事を1日3食規則正しくとることが大切です。あわせて、脂肪や炭水化物、アルコールの摂取は控えめにします。
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質のよい睡眠を十分にとる
寝不足だったり、寝たはずなのにすっきりしない睡眠が続いたりすると、頭皮の健康に悪影響を及ぼすことも。夜うまく眠れないときは、朝起きる時間を一定にして睡眠のリズムを整え、質のよい睡眠につなげます。
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ストレスをためない
ストレスがたまると抵抗力が落ち、頭皮トラブルを招きやすくなります。ストレスを完全に避けることはなかなか難しいものですが、気分転換をしたり趣味に没頭する時間をもったりするなど、少しでも気持ちが和らぐような対策を取り入れましょう。
フケの対処法
フケが目立つときは、次のような対処法を取り入れます。もしフケが多い状態が続いたり、フケのほかに気になる症状が現れたりした場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。
基本的な対処法
フケが頭皮についているからと爪でゴシゴシこすると、余計にフケがはがれ落ちるだけでなく、頭皮に傷をつけてしまうので注意が必要です。
乾性フケがみられるときは、頭皮が乾燥しているサイン。シャンプーは刺激の少ないものを選び、洗髪後は頭皮用のローションやクリームなどを使って、頭皮をしっかり保湿しましょう。
また、乾燥した頭皮はバリア機能が低下して、外部からの刺激を受けやすくなっています。通気性のよい帽子をかぶって紫外線を避ける、汗をこまめに拭くなどして、刺激から頭皮を守りましょう。
脂性フケがみられるときは、皮脂が過剰に分泌されているサインです。こまめに洗髪しつつ、食事面では、皮脂のコントロールに役立つビタミンB群が不足しないように注意しましょう。
フケがひどくなった場合は皮膚科へ
予防法や対処法を取り入れてもなかなかフケがおさまらない、フケが増え続けている、頭皮にかゆみや赤みが出ているなど気になる症状がみられる場合は、ほかの病気が原因となっている可能性も考えられます。なるべく早めに皮膚科を受診して、適切な治療を受けましょう。
自宅でできる!セルフケア方法
自宅で取り入れたいセルフケアとして、洗髪のポイントとヘッドマッサージについてご紹介します。
洗髪のポイント
洗髪を始める前に軽くブラッシングした後、ぬるま湯で素洗いしましょう。そうすることで、表面に付着した汚れやホコリを取り除くことができ、シャンプーの泡立ちもよくなります。シャンプーの前に、髪だけでなく頭皮もぬるま湯でしっかり流しておくことが重要です。
なお、シャンプーは直接頭皮につけず、手のひらに適量をとってよく泡立ててから使用すると、頭皮への刺激をおさえられます。
洗うときは爪を立てず、指の腹でやさしくマッサージするようなイメージで行います。皮脂が多い前頭部や頭頂部はとくにていねいに洗うようにしましょう。すすぐときは髪表面の泡だけを落とすのではなく、地肌までしっかりお湯を行き渡らせます。リンスやトリートメントは頭皮ではなく、毛先を中心につけるようにしましょう。
ヘッドマッサージ
ヘッドマッサージを取り入れることで、血流に働きかけ、頭皮を健やかに保ちます。頭皮を傷つけないよう、心地よいと感じる力加減で行いましょう。
- 指の腹を使い、フェイスラインから頭頂部にかけてもんでいく。
- 両手の指で頭皮を軽く押す感じでつかんでパッと離す動作を、襟足から頭頂部に向けて繰り返す。
- 左右のこめかみを軽くおさえる。
フケで気になるお悩み(Q&A)
フケに関して気になるお悩みにお答えします。
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フケが出るのを放置しても問題ない?
誰でもフケは出ますし、気にならない程度であればとくに問題はないでしょう。ただし、明らかに量が増えてきた場合やかゆみや赤みなどが出てきた場合は、セルフケアだけでは対処が難しくなります。皮膚科を受診しましょう。
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フケはどうやって取り除けばいい?
フケがあるからと、頭をゴシゴシかいたり強くブラッシングしたりするのは逆効果です。髪の根元にフケが付着しているときは、そっとつかんで髪の毛先まで運んで取り除きましょう。小さく乾燥したフケが気になるときは、頭皮用のローションなどで保湿してください。
監修:秋葉原スキンクリニック院長 堀内祐紀先生
東京女子医科大学医学部医学科卒業後、都内皮膚科・美容クリニックを経て、2007年に秋葉原スキンクリニックを開院。日本皮膚科学会認定専門医、日本医学脱毛学会理事、Aケア協会アドバイザー。日本皮膚科学会、日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本抗加齢医学会などに所属。