<知っておきたい>「ニキビ」の正しい知識 (1)「ニキビ」の原因や種類、症状を解説 ニキビについて ニキビの原因(仕組み)を解説 【部位別】顔以外に見られるニキビ ニキビの気になる疑問やお悩みを解説 10代、20代に多く見られ、30代まで悩む方もいる「ニキビ」。そのまま放置することで悪化したり、跡が残ってしまったりすることも少なくありません。ニキビを適切にケアするためには、ニキビに関する正しい知識持っておくことが大切です。ニキビの種類や原因について、皮膚科医監修のもと解説します。 ニキビについて ニキビと一口にいっても、その種類はさまざまです。まずは、ニキビの種類と主な症状に加え、ニキビとよく似ている症状についてお伝えしましょう。 ニキビの種類・症状(呼び名) ニキビは、医学用語では「ざ瘡」と呼ばれます。ニキビがよく見られるのは、皮脂腺が多く集まっている顔、胸、背中などの部分。排出されなかった皮脂が毛穴に詰まり、炎症が起こります。 一般的に、女性は12~13歳頃、男性は13~14歳からニキビができはじめ、女性では17~18歳、男性では19~21歳頃にピークを迎えます。思春期のニキビは生理的なニキビであり、通常は3~4年でなくなります。 一方で、20代後半になって出る「大人のニキビ」も見られます。40代、50代のほか、70代になってニキビができたケースも報告されています。吹き出物と呼ばれることもあります。 年齢以外では、ニキビの状態によっても呼び名がわかれています。 白ニキビ(閉鎖面疱) 皮脂や老廃物が詰まって盛り上がったものは白色面疱とも呼ばれ、俗に白ニキビと呼ばれている。 黒ニキビ(開放面疱) 黒色面疱とも呼ばれ、先端が黒くなったニキビ。皮ふの内側にあるメラニンが表に出てくることで黒く見えるとされている。 赤ニキビ(炎症性面疱) 白ニキビが悪化して炎症を起こしたもの。目立ちやすく、治りにくい。 黄ニキビ(膿疱性面疱) ニキビが化膿して、黄色い膿(うみ)がたまったもの。 紫ニキビ 炎症後の赤みが続き、色素沈着に移行する過程で紫っぽく見える、または内出血を起こしているものが、俗に紫ニキビといわれることがある。 ニキビと似ている症状(病名) ニキビとよく似ているのが、以下のような症状や疾患です。 おでき 毛包とその周囲が炎症を起こして化膿したもの。体毛が生えている部分にできる 頭皮湿疹 頭皮にできる脂漏性皮膚炎。赤みのある皮疹ができ、かゆみが強かったり、かさぶたになることが多い。季節的に繰り返すことがある。 口唇ヘルペス 口の周囲に水ぶくれが発生する。 水ぼうそう 水痘ウイルスが原因で起こる感染症。発疹や水疱ができる。 毛のう炎 毛包に菌が入って炎症を起こす感染症。頭皮にできることもある。 マラセチア毛包炎 マラセチア菌が毛包のなかで増殖したもの。 稗粒腫 目のまわりによく見られる、白くポツポツと隆起したもの。俗に「脂肪の固まり」と考えられることが多いが、内容はケラチンである。 毛孔性苔癬 毛穴周囲に古い角質層が溜まって毛穴をふさぐことで、小さなブツブツが広範囲にできる。二の腕や足、背中に多く見られる。 粉瘤 顔面や頸部によく生じる良性の腫瘍。強く押すと悪臭を伴う物質が出ることがある。 慢性膿皮症 細菌感染が原因で起こる難治性の病気。頭部や臀部に現れやすい。 ニキビの原因(仕組み)を解説 ニキビは、どんなことが原因となってできるのでしょうか。ニキビが発生する仕組みとともに、くわしく解説します。 一般的なニキビができる原因 ニキビの原因はさまざまですが、ホルモンもそのひとつ。思春期に多く分泌されはじめることで毛穴が詰まりやすくなり、ニキビを引き起こします。 そのほか、睡眠不足もホルモンバランスの乱れにつながることが知られています。ストレスがたまった状態だと寝不足につながりやすいため、就寝前にリラックスできる時間を持つとよいでしょう。 加えて、皮膚への過剰な刺激もニキビの原因となります。ひげを剃るときは清潔な道具を使い、シェービング剤などを使って刺激を和らげることが大切です。また、メイクが毛穴に詰まると、ニキビの原因になりかねません。洗い残しがないよう注意しましょう。 皮膚が乾燥すると、バリア機能が弱まって外部刺激を受けやすくなるため、ひげ剃りや洗顔の後は十分な保湿を心がけます。 一般的なニキビができる仕組み(症状が出るまでの流れ) 皮脂が過剰に分泌されると、皮脂が毛穴をふさいでしまうことがあります。そうすると出口がなくなった状態で皮脂腺のなかに皮脂が溜まり、さらにアクネ菌が増殖して炎症が起こるのです。 ニキビが顔にできやすいのは、皮脂を分泌する皮脂腺が多いため。つまり、皮脂腺がある場所なら、どこにでもできる可能性があります。規則正しい生活を送り、十分な睡眠をとることで、ニキビの発生を防ぎましょう。 【部位別】顔以外に見られるニキビ ニキビが最も多く見られるのは顔ですが、顔以外にも皮脂腺が多い場所にニキビは現れます。 顔以外でニキビが発生しやすい部位は、胸や背中です。また、頭皮も皮脂が多く分泌されるため、ニキビが発生しやすい部位のひとつ。一方で、手のひらや足の裏には皮脂腺がないため、ニキビは発生しません。 ニキビの気になる疑問やお悩みを解説 最後に、食生活とニキビの関係や体質による影響など、ニキビについて気になる疑問やお悩みにお答えします。 チョコレートなどの甘いものを食べるとニキビになりやすい? 現在のところ、食生活とニキビとの明確な関連性は報告されていないため、あまり気にする必要はありません。健やかな肌を育てるために、バランスのよい食事を規則正しくとることが大切です。 小学生にはニキビはできない? 細かく観察すると、8~9歳の男女に、ニキビのできはじめである微小面疱が見られることがあります。 ニキビになりやすい体質はある? 脂性肌(オイリー肌)だとニキビができやすいと考えられがちですが、皮脂の分泌がおさえられたからといってニキビが改善されるわけではありません。大人のニキビなどは乾燥する部位にできやすい方が多いようです。乾燥している部位には保湿も大切になります。 ニキビがほかの人にうつる可能性は? ニキビは伝染性ではないため、ほかの人にうつることはありません。ニキビの原因のひとつとして考えられるアクネ菌は、皮ふの常在菌で感染性は考えなくてもよいでしょう。 監修:尾見 徳弥 先生 日本医科大学大学院卒業 Aarhus大学客員研究教授、日本医科大学客員教授。日本皮膚科学会美容皮膚科・レーザー指導専門医 日本皮膚科学会認定専門医 日本アレルギー学会認定専門医 正しい情報を掲載するよう注意しておりますが、誤った情報があればご指摘ください 医療情報に関するご指摘はこちら からだの気になる症状別ガイド一覧へ戻る