妊活中のふたりのいま

前回の調査では、妊活中のふたりの間に意識の差があること、
また気持ちのすれ違いによってストレスが生じていることがわかりました。
今回の調査では、ふたりの意識にはまだ課題はあるものの、
妊活を始める時期の早期化や、「ふたり妊活」へ積極的に取り組む夫婦も増加。
そして「みんなで取り組むもの」という答えも多く見られました。
妊活に対する意識が、少しずつ変わり始めているのかもしれません。

まずは調査結果をもとに
妊活の実態をみていきます。

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1.「妊活」の取り組み状況

妊活開始時期が早期化傾向へ

  • 既婚妊活男女

妊活開始平均年齢は32.1才
3人に1人が「20代後半」から妊活スタート

夫婦が「妊活」を始めた(子どもが欲しいと思った年齢)

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夫婦が妊活を開始する年齢の平均は「32.1才」。昨年の平均「32.3才」と比べて、わずかですが早くなっている傾向があります。特に20代後半(25〜29才)の妊活割合がやや上昇し、3人に1人が妊活を始めています。
一方、35才以上の男女で20代から妊活に取り組んでいたという人は1割にも満たない結果に。男女ともに年齢が上がるほど、妊活の開始年齢も遅いことがわかりました。

2.「妊活」のイメージ

「妊活」問題は、
家族・社会全体として取り組むものへ

  • 既婚妊活男女
  • 若年男女
  • 親世代男女

妊活イメージは「家族みんなで取り組むもの」が最多。
一方で世代間ギャップが判明

「妊活」に対するイメージ

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妊活に対するイメージは、どの層でも「家族みんなで取り組むもの」という意見が4割近くと最も多くなっています。
一方、既婚妊活男女は「大変なもの」が43.6%、「つらいもの」が30.7%などと精神的な思いを答える人が多く、親世代男女は「大切なもの」が34.1%、「誰もが自然に行うもの」が24.1%と答える人が他の世代よりも多い傾向がありました。
みんなで妊活を取り組みたい気持ちは同じですが、立場や世代によって少しずつ妊活への意識の違いが見受けられます。

3.「妊活」を取り組むことでの変化や負担

「夫婦で積極的に妊活」が最多。
しかし、男女差も判明。

  • 既婚妊活男女

積極度は「夫婦ともに積極的」が過半数。
女性は「自分の方が積極的」が高い傾向に。

あなたやあなたのパートナーの「妊活」への関与度

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妊活への積極度は、「夫婦ともに積極的」と答える人が最も多く、49%と過半数近い結果となり、2018年よりも少し増加傾向へ。妊活の注目度が上がってきているようです。
ただし男女で比較すると、女性のほうが妊活への意識は高く、パートナーよりも「自分の方が積極的」だと思っていることがわかりました。
また、男女ともに年齢が上がるにつれて、パートナーが「積極的にかかわってくれない」と感じる割合が上昇しています。コミュニケーションを図ることが難しい話題だからこそ、すれ違いやすいのかもしれません。

4.「妊活」を取り組むことでの負担

妊活に対する最大のハードルは
「金銭面」。

  • 既婚妊活男女
  • 若年男女

「金銭面」への不安が男女ともに最多。
「仕事との両立」、「自身の知識不足」についても不安を感じていることが判明。

「妊活」を始める以前に、ハードルに感じたこと()既婚妊活男女/将来「妊活」をはじめるときに、ハードルになりそうなこと(若年男女)

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男女ともに、妊活へのハードルを感じる1番の理由が「金銭面」でした。さらに既婚妊活女性では金銭面以外にも、「仕事との両立」への不安が28.4%、「周囲に相談しづらい」ことへの不安が26%と高く、妊活をしながらも、悩みながら日々の生活を送っている姿が見られます。
既婚妊活男性は「自分がどの程度のことをするべき段階なのかわからない」が21.4%と2番目の理由に。自身の知識不足による妊活への不安も見えてきました。

5.「妊活」の実態と意識

「ふたり妊活」の取り組みは、
男女間にギャップ。

  • 既婚妊活男女

2018年と比較した「ふたり妊活」への取り組みでは、
「できている」層は女性がアップ、男性はダウン

「ふたり妊活」ができている既婚妊活男女

「妊活意識」の差がある夫婦ほど、妊活中に精神的ストレスを感じている可能性も。
既婚男性の3人に1人は「パートナーの精神的不安定」を経験。

「妊活」をしているときに、つらいと感じる既婚妊活男女

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2019年の「ふたり妊活」への取り組みは、女性は増加傾向にあり4.6ポイントアップ。一方で、男性は減少傾向にあり7.7ポイントダウンしていました。
「ふたり妊活ができている」と答えた既婚男女に理由を聞くと、どちらも「2人で協力・気遣いができているから」という答えが最も多かったのですが、女性の方が8.6%ほど多く、男女間に差が出ています。
このように妊活の意識に差が大きい夫婦ほど、妊活中にお互いストレスを感じています。特に女性のほうが精神的につらいと感じている人が多く、男性の3人に1人は「パートナーの精神的不安定」をつらいと感じた経験があると答えています。

6.「妊活」における身近な人との関係

周囲とのコミュニケーションが
次の課題へ。

  • 既婚妊活男女
  • 親世代男女

周囲への協力要請経験は
約1割

「妊活」への協力を周囲の関係者に要請した経験

親への妊活相談は「ない」が
約8割

「妊活」を行っていることを、両親・義父母に話す機会

親世代、子供との妊活会話経験は
約1割

息子・娘たちと「妊活」や「子供(孫)がいないこと」について話した経験

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既婚の男女で、「妊活に対して周囲への協力を要請した」という経験がある人は、約1割にとどまっています。妊活に対するイメージは「家族全体で考えるもの」という考えが広がってきたものの、親子間で妊活に関する会話をした経験がある人は2割以下という事実。
妊活について、夫婦だけでなく家族みんなで、そして社会全体で考えようというイメージが浸透した後の課題は、周囲とのコミュニケーションになるのかもしれません。

7.「妊活」と周辺環境からのサポート

会社の妊活サポート、
既婚妊活男女8割が「わからない」。

  • 既婚妊活男女
  • 若年男女

職場の妊活サポートに関して、
8割近くが「制度がない/わからない」と回答。

職場に「妊活」を支援・サポートする制度がある 職場の「妊活」を支援・サポートする制度

既婚妊活男女では「妊活休暇なし」が半数越え。
「妊活休暇があるかわからない」も約3割に。

働いている会社・事業所では「妊活休暇」がある、取得したことがある

理想の妊活サポートに、
「休み・時間が融通しやすい環境」が求められている。

理想の会社・事業所からの「妊活」サポート

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会社の妊活サポートに関して、既婚妊活男女がサポートを利用したという経験はまだ1割程度です。知らなかった人が8割という結果からも、ほとんどの人が認知をしていないのかもしれません。職場に「妊活休暇がない」という既婚妊活男女は半数を超え、今後、企業側の体制を整えて、浸透させることが課題となっていくでしょう。既婚妊活男女が企業に求める理想の妊活サポートは、「休み・時間が融通しやすい」ことが最も多い答えでした。働く既婚妊活男女は仕事をしながら、妊活へ取り組める環境を求めているのでしょう。

7.「妊活」と周辺環境からのサポート

自治体や行政の妊活サポートで
求められているのは
「金銭的サポート」。

  • 既婚妊活男女
  • 若年男女
  • 親世代男女

「自治体や行政の妊活サポート」を調べたことがある既婚妊活男女は
約2割

自治体や行政が行っている「妊活」サポートについて調べたことがある。

「自治体や行政の妊活サポート」は、
利用実態にもサポート内容にもまだまだ改善の余地あり。

自治体や行政から受ける理想の「妊活」サポート

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自治体や行政にも妊活サポートはありますが、既婚妊活男女の約2割しか調べた経験はないようです。
ただし、40代前半の妊活をしている女性は、自身の妊活レベルが進むにつれて、サポートについて調べる人が増えるようです。
妊活を考える人たちが理想だと思う、自治体や行政の妊活サポートを調査すると、既婚妊活男女ともに「金銭的サポート」についての希望が多いという結果となりました。前に出てきた妊活への負担や不安が「金銭面」という答えとも、連動していることがわかります。「情報のサポート」については、既婚妊活男女だけでなく、若年男女や親世代男女などの幅広い層が必要だと考えていることもわかりました。