市販の発毛剤に使われるなど、発毛・育毛効果があるとして知られる成分ミノキシジルは、第一類医薬品(外用剤)の有効成分。
今回ロート製薬が行った研究では、ミノキシジルの「脂肪由来間葉系幹細胞」に対する効果を検討。世界で初めて、毛の伸長に重要なFGF7、血管誘導に重要なVEGFA、発毛に重要なPDGFAといった発毛因子※2の遺伝子発現が高まることを見出したのです。
※2:成長期の間に、新しい毛幹を作りだす過程や伸長する過程で関わる因子のこと。
試験方法:脂肪由来間葉系幹細胞にミノキシジルを添加し24時間後の各因子の遺伝子発現量をリアルタイムPCR法にて測定した。(n=3、ロート研究所実施) 検定方法:Student’s t-test(* : P < 0.05, **:P < 0.01)
ミノキシジルは発毛に関する有効性が広く知られている一方で、毛包周りの細胞に対する作用メカニズムに関してはまだ不明な点が多い成分でした。しかし、今回の研究結果によって、ミノキシジルの作用メカニズムの一つとして、「脂肪由来間葉系幹細胞」への関わりが示唆されたのです。
再生医療研究をお客様の手の届くものにしたい、さらには、世の中を健康にするためあらゆる困難にチャレンジし続けたい。私たちロート製薬は、今後も再生医療研究そして幹細胞に着目した、発毛・育毛研究を推進していきます。
※1:引用元
脂肪層と発毛:Eric Festa et. al., Cell. 146(5):761-71. 2011
毛包幹細胞と皮膚化:Matsumura H et. al., Science、, 351(6273):575, 2016