60倍の高粘度をどうやって製造ラインに
乗せるか。
実機テストを繰り返した。
目薬の粘度は製造ラインにおける「ろ過滅菌」に影響をきたす。品質保証部・目次はこう言う「粘度の高い製剤は、ろ過フィルターを通過しにくい。つまり時間がかかる。目詰まりも起こしかねない。そうなると安定生産が不可能になり、高価にならざるえない」このハードルに立ち向かうため韓と目次がとった方法が実機テストであった。研究室を出て、実物の製造ラインで方法を探す。過去に前例はない。しかし本当に可能かを検証するにはこれしか方法はなかった。製造ラインが空く夜の8時ごろから深夜2時ごろまで、それは連夜におよんだ。
製造の目処が立ったのは開発スタートから1年半。そして、この商品が初めて本番の製造ラインに乗った時はプロジェクトメンバー全員が終日ラインに張り付いていた。これも過去に前例のないことであった。