(3)排卵日前後に起こりがちな体調不良の症状と対策

<知っておきたい>「排卵日」の正しい知識 (3)排卵日前後に起こりがちな体調不良の症状と対策

月経予定日まで日があるのに、冷えやむくみ、腹痛、なんとなく身体が重い…など体調不良を感じることはありませんか?以前は感じなかった不調がでてきて不安になることもあるのでしょう。その体調不良はもしかしたら排卵日のせいかもしれません。そこで排卵日に体調が悪くなる原因や症状、その対策法についてご紹介します。

排卵日による体調不良の要因

排卵日による体調不良の要因

排卵日に体調が悪くなるのには、女性ホルモンの影響が考えられます。それは女性ホルモンと自律神経は、どちらも間脳の視床下部で分泌をコントロールされているため、互いに影響しあっているからです。

女性の身体は月経が終わって卵胞期に入ると、子宮内膜を厚くして体温を下げる働きのあるホルモン「エストロゲン」の分泌量が増え、低温期になります。そして排卵直後から、子宮内膜の厚みを維持する作用と体温を上げる働きがあるホルモン「プロゲステロン」が分泌され、高温期に入ります。このように排卵はホルモンの変化が急激に起こるため、身体に負担がかかり体調を崩してしまうのです。また、卵子が排出される時に卵巣に傷をつけてしまうことがあります。これが出血や痛みとなって現れることもあります。

排卵日特有の症状

排卵日特有の症状

痛みを感じる、出血がある…。排卵日前後には排卵日特有の症状が出ることがあります。以下でくわしくみていきましょう。

症状
  • 排卵痛

    排卵日に見られる体調変化で多いのが、お腹や下腹部に痛みが出る排卵痛です。月経痛と排卵痛は痛みを伴うという点では似ていますが、全く異なる症状です。排卵痛は卵子が排出される時に卵胞が破れ、卵胞液と血液が流れ出して腹膜を刺激することから起こるもの。また、この時期は卵巣が少し炎症をおこしている状態でお腹が張ったような痛みが出たり、子宮周辺に痛みを感じたりという場合もあります。一方、月経痛は主にプロスタグランジンというホルモンによって子宮が収縮することで起こる痛みです。

  • 排卵出血

    排卵出血は、排卵日の前後2~3日にごく少量の出血をします。卵胞が破れた時に血液が流れ出したものが出血という症状で出るので、不正出血と勘違いしてしまいがちですが病気ではありません。

よく見られる体調不良の症状

よく見られる体調不良の症状

むくみや冷え、なんとなく身体が重い…。排卵日前後では、さまざまな体調不良を感じることがあります。どのような症状が起こるのか、その原因とともにみていきましょう。

症状
  • むくみ、冷え

    月経前(黄体期)に多く分泌される黄体ホルモンの影響によって、水分を溜め込もうとして、むくみやすくなります。むくむことで余分な水分が体を冷やして冷えを起こしてしまいます。また、冷えがあれば血液循環や水分代謝が低下してむくむという悪循環を起こしてしまいます。

  • 腰痛

    腰が重く、腰痛や子宮の辺りがズキンズキンと痛む腹痛。これは排卵、つまり卵巣の表面が剥がれたり、卵胞と呼ばれる卵子を包む袋が破れたりする際に生じる痛みです。痛みには個人差があり、耐えられないほどの痛みの方もいます。

  • 眠気、だるさ

    月経になると強い眠気に襲われると言いますが、排卵日直後でも強い眠気に襲われることがあります。排卵日直後に分泌が増える黄体ホルモンは妊娠の準備だけではなく、眠気を引き起こす成分も含まれているからです。排卵直後は体温が低くなるため、「体を休めよう」と信号を送って眠気も出てくるようになります。

  • 吐き気、めまい

    排卵に伴うホルモンバランスの変化によって生じます。吐き気の症状がある場合は食欲不振や軽い出血を伴う場合が多く、めまいは排卵によるホルモンバランスの変化によって引き起こされることがあります。また、普段、排卵日に全く症状のない方がめまいを感じた場合、妊娠している可能性も考えられます。

  • イライラ

    月経開始から2週間前後の時にイライラを感じることが多いようであれば、排卵に伴う症状の可能性が高いです。一時的に月経前症候群(PMS)に似た症状が出ることがあります。自分の月経周期をチェックしてみましょう。

  • 胸が張る

    プロゲステロンの影響を受け、排卵後に多く起こる症状です。妊娠に向けての準備のひとつとして、乳腺を刺激するため、胸の張りや痛みといった症状を生み出すと言われています。

  • おりものの変化

    おりものは、排卵日の2~3日前がもっとも量が多くなります。この時期は透明でとろみのあるゼリー状で、よく伸びるのが特徴です。ただし、おりものの量には個人差があり、体調によっても変化するため、量が多いからといって必ず排卵期であるとは限りません。

  • 肌荒れ、便秘

    排卵後は黄体ホルモンが分泌され、受精卵が着床しやすいように子宮内膜を柔らかくしてくれます。この黄体ホルモンの作用によって、腸内の水分を吸収したり、子宮や腸内の蠕動運動を抑えたりする働きがあるため便意が感じられなくなるようです。便秘になることで肌荒れを引き起こすこともあるようです。

体調不良を和らげる主な対策

体調不良を和らげる主な対策

月経時期に加え排卵時期にも起こる体調不良に、憂鬱になる女性も多いでしょう。以下では、そんな体調不良を和らげる方法をご紹介します。

対策
  • 身体を温める

    靴下や手袋などで冷えを防ぎ、とくに腹部は温かく保つように心がけましょう。身体を締め付ける下着は血行を悪くするので、あまりおすすめできません。入浴はややぬるめのお湯に足を伸ばしてゆったりと浸かって、心身ともにポカポカに。

  • 生活リズムを整え、睡眠をしっかりと

    早寝早起きで生活リズムを整え、適度に運動しましょう。そして栄養バランスのよい食事を3食きちんととるように。

  • ストレスを溜めない

    過度のストレスは自律神経のバランスを崩し、ホルモンの分泌を低下させます。さらに交感神経を緊張させて血行も悪くさせるので、ストレスは大敵です。10分くらいでいいので腹式呼吸や好きな音楽を聴いたり、好みの香りを嗅いだり、自分なりの工夫をしてみてはいかがでしょう。リラックスすると副交感神経が優位になり、血流がよくなります。

気を付けたい特殊な症状

気を付けたい特殊な症状

体調不良とは異なる症状を感じる場合は、注意が必要です。人それぞれで痛みの感じ方や現れ方は異なりますが、日常生活を送ることが辛くなるほどの痛みや不快感があるなら、すぐに医師に相談しましょう。

症状
  • 不正出血

    排卵出血とは異なり、長期にわたって出血が続いたり、大量の出血があったりする場合は、悪性がんなどの病気が疑われます。

  • 無排卵月経

    月経があるようにみえて排卵がない無排卵月経。このままでは妊娠することができません。今、妊娠を望まなくても将来のために、なるべく早めの治療を始めた方がいいでしょう。また、だらだらとした出血が続くことで貧血などの症状がでることがあります。

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絹谷 正之 先生
監修: 医療法人 絹谷産婦人科 院長 絹谷 正之 先生
愛媛大学医学部卒業後、広島大学医学部産科婦人科、山王病院リプロダクションセンターを経て、カナダ、アメリカ、イギリスで高度生殖補助医療を学ぶ。2002年に絹谷産婦人科院長に就任。日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医、日本生殖医学会認定生殖医療専門医。

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