(1)かぶれ(接触皮膚炎)の原因・症状を解説

<知っておきたい>「かぶれ(接触皮膚炎)」の正しい知識 (1)かぶれ(接触皮膚炎)の原因・症状を解説

皮膚に何かが触れたときに起きる「接触皮膚炎」は、一般に「かぶれ」と呼ばれています。赤くなったり、ブツブツが出たり、かゆみが出たりといった症状が出ます。そもそも、かぶれ(接触皮膚炎)はどうして起こるのでしょうか。また、どのような種類があるのでしょうか。皮膚科医監修のもと、くわしくご紹介します。

かぶれ(接触皮膚炎)について

かぶれ(接触皮膚炎)について

かぶれとはどういうものなのか、解説していきましょう。

「かぶれ」とは

かぶれとは、何らかの刺激物質やある特定の物質(植物など)が皮膚に接触することによって起きる皮膚炎の一種です。正式には「接触皮膚炎」といいます。症状は、皮膚にかゆみが出るほか、ヒリヒリ感、赤くなる、ぶつぶつが出るのが一般的です。ひっかいて二次感染を起こすと水ぶくれになり、皮膚がジュクジュクした状態になることもあります。
かぶれが起きる原因として特定の植物や、金属をはじめ、外用薬、いわゆる塗り薬や化粧品などが挙げられています。

かぶれと蕁麻疹(じんましん)の違い

かぶれ(接触皮膚炎)は、湿疹の一種です。つまり、湿疹という大きなくくりの中に、接触皮膚炎があります。湿疹とは、外的な刺激、内的な刺激によって、皮膚の最も外側にある表皮が炎症する皮膚疾患の総称です。そしてかぶれ(接触皮膚炎)は、皮膚に何らかの刺激物などが接触することで起きる、湿疹性の炎症反応のことをいいます。

一方、蕁麻疹は、皮膚の一部が突然、赤く盛り上がり、かゆみや焼けるような感覚が出ることもあるもので、20~30分、もしくは2~3時間たつと跡形もなく消える皮膚疾患の一つです。蕁麻という葉に触れると、このような皮膚症状が現れることから、その名がつけられています。

蕁麻疹はアレルギーによっても症状が出るといわれています。そしてアレルギーの原因が侵入してからアレルギー症状が現れるまでの時間が非常に短い、即時型アレルギーの一つです。

かぶれとの大きな違いは、蕁麻疹が跡形もなく消えるというところにあります。

かぶれの主な症状

続いて、かぶれの主な症状をみていきましょう。

症状
  • 一般症状例

    赤くなる
    ブツブツ(皮膚がわずかに盛り上がる)
    かゆみ
    一般的に湿疹の症状は、まず赤くなることからはじまり、皮膚がわずかに盛り上がりブツブツするようになります。また、かゆみやヒリヒリ感を伴うこともあります。
  • 悪化症状例

    水ぶくれ
    ただれ
    また、ひっかくなどして皮膚に細菌が入り、二次感染を起こすなどすると膿がたまったり、水ぶくれになったりする症状を経て、皮膚がジュクジュクした状態になることがあります。また、ただれも生じることがあります。ただれとは、膿や水ぶくれが破れ、表皮がはがれ、真皮が露出してしまう状態です。
かぶれ(接触皮膚炎)の原因(仕組み)

かぶれ(接触皮膚炎)の原因(仕組み)

一般的なかぶれの主な原因・仕組みを、症状が出るまでの流れを通してみていきましょう。

原因
  1. 何かが皮膚に直接触れる

    まず、かぶれ(接触皮膚炎)は、皮膚の表面に物理的に何かが直接触れ、刺激となることで起こります。例えば、洗剤、ゴム、植物、金像をはじめ、化粧品や外用薬なども原因として挙げられます。

  2. 表皮の神経が外部刺激を感知する

    これらの物質が表皮に触れると、刺激から守るために、表皮の神経が感知します。

  3. 血流促進・毛細血管の拡張

    この神経からの情報を得て、血流が促進され、毛細血管も拡張していきます。その結果、皮膚表面は赤くなり、皮膚の温度も上昇するため、ほてりとして感じることがあります。

  4. 血漿が血管から染み出し皮膚表面が腫れる

    その後、毛細血管から血液成分の一種「血漿」が染み出し、皮膚表面の近くでたまり皮膚の表面が腫れていきます。
    かゆみを感じるため、ひっかくことで細菌感染を起こし膿が出ることもあります。

これらの流れで皮膚のかぶれの症状が起きます。
しかし、身体の健康状態、免疫力、皮膚の特性、刺激物の種類により症状も変わってきます。

かぶれ(接触皮膚炎)の種類

かぶれ(接触皮膚炎)の種類

かぶれ(接触皮膚炎)には、さまざまな種類があります。それぞれの皮膚炎についてどのようなものなのかみていきましょう。

種類
  • 刺激性接触皮膚炎

    単純に、何らかの刺激が原因となるかぶれ(接触皮膚炎)は、刺激性接触皮膚炎、もしくは一次刺激性接触皮膚炎と呼びます。化学物質や、植物、ゴム、金像、洗剤、化粧品など、そのものが皮膚に刺激を与える物質であり、その外部刺激に皮膚の抵抗力が負けることでかぶれを起こします。誰にでも発症することがあります。また特徴は物質と接触すると、すぐに症状が出るところにあります。また刺激性接触皮膚炎ではなく、皮膚のバリア機能が落ちてしまったことが原因で、かぶれに似た症状が出る場合もあります。

  • アレルギー性接触皮膚炎

    何らかの物質が接触したときに、アレルギー反応を起こす皮膚炎をアレルギー性接触皮膚炎と呼びます。特定の物質に対してアレルギー反応を起こす「抗体」を持っている人だけに起こります。また、症状は、接触してから1~2時間たってから現れるのが特徴です。

  • 全身性接触皮膚炎

    接触アレルギーが起きた後に、注射や薬の内服、食品摂取などの原因物質が侵入し全身にアレルギー症状が起きるものです。シイタケや水銀によるものが有名です。ニッケル・コバルト・クロム等も原因となります。

  • 接触皮膚炎症候群

    接触アレルギーが生じているにもかかわらず、接触皮膚炎とは思わずに原因物質が接触し続けることで、一部だけでなく全身に多彩な皮膚炎を生じる特殊な接触皮膚炎です。

  • おむつ皮膚炎

    刺激性接触皮膚炎の一種です。おむつの当たる部分、特に外陰周囲・肛囲にかぶれの症状が起きるものです。尿や便の刺激、おむつによる刺激、密閉された環境などが原因です。カンジダ症と似ているので、鑑別することが重要になります。また、赤ちゃんだけでなく、高齢者にもおむつかぶれが起きることがあります。まめにおむつを取り換えるとかぶれにくくなります。

  • 光接触皮膚炎

    光線にかかわる特殊な接触皮膚炎です。原因となる物質が直接皮膚に付着し、さらに紫外線が当たることで症状をきたす物質に変化した場合に発症します。光毒性接触皮膚炎と光アレルギー性接触皮膚炎の2種類がありますが、多くの場合、光アレルギー性接触皮膚炎だといわれています。

    光毒性接触皮膚炎とは
    薬剤と日光によって発症します。主に紫外線の中でもUV-Aによって潜伏期なしですぐに症状が出ることが特徴です。原因となる薬剤には、ソラレンやコールタール、ベルガプテンなどがあります。症状は主に日焼け症状となり、赤みやむくみをきたしたのち、皮膚がむけ、色素沈着がみられます。
    光アレルギー性接触皮膚炎とは
    薬剤を摂取した後、日光に当たることによりアレルギー反応が起きることで生じる光線過敏症皮膚症です。症状は赤みや水ぶくれが主体になります。原因となる薬剤には、クロルプラマジン、サイアザイド薬、経口糖尿病薬などがあります。

かぶれが起きやすい部位

かぶれは、次の部位に起きやすくなっています。それぞれの主な原因物質もあわせてみていきましょう。

  • 化粧品、医薬品、香水、メガネ、植物、サンスクリーンクリームなど

  • 目の周り

    ビューラー、ゴーグル、アイシャドウ・アイライナー、マスカラ、点眼薬、コンタクトレンズ関連製品など

  • 口の周り

    歯磨、マスク、食物(マンゴーなど)

  • イヤリング、ピアス、メガネのフレームなど

  • ネックレス、化粧品、香水、衣服など

  • ワキ

    制汗剤、剃毛関連製品など

  • 手足

    ゴム、手袋、皮革製品、マニキュア、金属、医薬品など

  • 腕・脚・体幹部

    時計、腕輪、植物、下着・衣服、ボディソープ、洗剤、金属、医薬品など

  • デリケートゾーン

    下着、洗剤、生理用品、コンドームなど

  • おしり

    衣類、便座、おむつなど

かぶれ(接触皮膚炎)を起こしやすい物質一覧

かぶれ(接触皮膚炎)を起こしやすい物質一覧

かぶれ(接触皮膚炎)を起こしやすい物質には次のものがあります。

種類
  • 動植物・食品

    植物、木、虫、果実など

  • 化学物質・金属

    金属(ニッケル、クロム、コバルト、水銀、金、パラジウムなど)、化粧品、サンクリーン剤、歯磨き粉、シャンプー、石鹸、整髪料、アクセサリー、ピアス、メガネ、ネックレス、衣類、ゴム、農薬など

  • 医薬品

    外用薬(フラジオマイシン、イミダゾール系、ブフェキサマックなど)、消毒薬(ポピドンヨード、塩化ベンザルコニウムなど)、絆創膏、化学薬品、点眼薬など

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平田 雅子 先生
監修:私のクリニック目白 院長 平田 雅子 先生
医学博士・皮膚科認定専門医・日本医師会産業医・国際中医薬膳師。日本大学医学部卒業、東京医科大学付属病院勤務。退職後、臨床の第一線に立ち毎日500名以上の患者様の診療にあたる。その後2003年に女性専門外来、私のクリニック目白を開設し、理事長兼院長に就任。

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