(2)膣カンジダの予防・対処法について解説

<知っておきたい>膣カンジダの正しい知識 (2)膣カンジダの予防・対処法について解説

膣カンジダは、女性性器感染症のなかでもよくみられる病気であり、抵抗力が弱まることで発症しやすくなります。また、再発するケースもみられるため、適切に対処するとともに日常生活を通して発症を予防することが大切です。ここでは、膣カンジダの予防や対処法について、産婦人科医監修のもと解説します。

膣カンジダの再発を繰り返す人も

膣カンジダの再発を繰り返す人も

膣カンジダの要因となるカンジダ菌は真菌の一種であり、健康な人の体にも存在する常在菌です。といっても、通常であれば膣内にいる善玉菌(乳酸桿菌)が膣内でカンジダ菌が増殖するのを防いでいるため、カンジダ菌が増殖することはありません。

ただし、抵抗力の低下や通気性の悪い下着の着用など、ちょっとしたことがきっかけで膣内の環境が乱れると、カンジダ菌が増殖しやすくなってしまいます。膣カンジダの約90%は初回治療で治りますが、そのうち少数は再発を繰り返すことが知られています。

再発防止をふまえた、膣カンジダの予防法

再発防止をふまえた、膣カンジダの予防法

膣カンジダを予防するうえでは、カンジダ菌が増殖しにくい環境を維持することが大切です。日常生活を通して、次のようなことに注意しましょう。

対策
  • 体を締め付ける衣類を避ける

    タイトなボトムスやガードル、下着、タイツ、ストッキングなどは、ムレた状態を引き起こしやすくなるので注意が必要です。

  • ナプキンをこまめに交換する

    生理期間中はとくにムレやすくなるため、ナプキンやタンポンをこまめに交換しましょう。おりものシートも同様です。

  • 通気性のよい下着を選ぶ

    綿素材など通気性に優れた下着を選ぶことが大切です。また、入浴や水泳などで濡れた場合は、十分に乾かしてから下着をつけるようにしましょう。

  • 洗いすぎに注意する

    ボディ用の石けんなどを使うと刺激が強すぎるため、ゴシゴシこすらないように注意しながらぬるま湯でやさしく洗い流します。

  • かゆいからと皮膚をかかない

    かゆいからと外陰部をかくと、感染が広がるおそれがあるため注意します。

  • バランスのよい食生活を心がける

    糖尿病になると膣カンジダを発症しやすくなるため、甘いものや糖質のとりすぎを控え、栄養バランスのとれた食事を意識しましょう。

抵抗力を維持するうえでは、生活リズムの乱れや睡眠不足、ストレス、疲れなども悪影響を与えます。上記のようなことに注意しながら、規則正しい生活を送ることが大切です。

膣カンジダの対処法

膣カンジダの対処法

かゆみやおりものの異変がみられたとしても、膣カンジダ以外の疾患にかかっている可能性が考えられます。いままで膣カンジダになったことがない場合は、なるべく早めに病院を受診して診断・治療を受けましょう。

膣カンジダの治療には、腟錠や腟坐剤、軟膏、クリーム、経口剤などが用いられます。膣錠や膣坐剤は一般的に連日通院して、病院で膣のなかに挿入します。1週間にわたって治療を続けますが、効果がみられない場合は追加治療が行われます。また、連日通院することが難しいときは、1週間効果が続く膣錠を通院時に挿入します。

経口剤としては、2015年に日本でも承認されたフルコナゾール経口剤が用いられますが、妊娠している場合は使用を避けなければなりません。

膣錠や膣坐剤とあわせて、クリームなどの外用薬を一緒に使うこともできます。大陰唇(外陰部のひだ)より外側に炎症が起こっている場合は、皮膚カンジダに対する皮膚科の軟膏などが必要になることもあります。

また、日常におけるセルフケアとしては、カンジダ菌の増殖をおさえるために清潔と安静を保つことが大切です。炎症を悪化させる可能性があるので刺激の強い石けんの使用は避け、ぬるま湯でやさしく洗いましょう。洗ったあとは十分に乾燥させてから、通気性のよい下着をつけてムレを防ぎます。また、症状が現れはじめた時期の性交渉は控えたほうがよいでしょう。

膣カンジダかも?セルフチェックしてみましょう

膣カンジダかも?
セルフチェックしてみましょう

次のような症状がみられるときは、膣カンジダを発症している可能性があります。早めに病院を受診して、適切に治療を受けましょう。

  • 外陰部や膣に強いかゆみがある。
  • おりものの量が増えた。
  • おりものが白く濁った酒かす状、カッテージチーズ状などに変化している。
  • 外陰部や膣に発疹や白い苔のようなものがみられる。
  • 外陰部や膣にヒリヒリするような熱っぽさがある。
  • 排尿時や性交時に痛みを感じる。
膣カンジダでよくあるお悩み

膣カンジダでよくあるお悩み(Q&A)

最後に、膣カンジダに関して気になるお悩みにお答えします。

  • カンジダ菌はうつりますか?

    膣カンジダは、カンジダ菌の自己感染によって症状を発症することが多い疾患です。パートナーとの性交渉で感染するケースは少ないといわれています。

  • 自然治癒は可能ですか?

    膣には自浄作用があるため、症状が軽い場合は自然に治ることもあります。ただし、おりものの量が増えたりかゆみが強くなったりした場合は、早めに病院を受診しましょう。

  • 再発はしますか?

    膣カンジダは再発しやすい感染症のひとつです。ほとんどの場合は最初の治療でよくなりますが、もともと皮膚にいる常在菌であるため、なんらかのきっかけで再発を繰り返すこともあります。要因としては抗生物質などの服用が最も多く、それ以外には妊娠や糖尿病、通気性のよくない下着の着用、間違った洗い方などがあげられます。

  • 男性でもカンジダになりますか?どこにできやすいですか?

    男性では亀頭包皮炎を発症することがありますが、女性に比べて少ないことがわかっています。発症するとかゆみや違和感がみられるほか、まれに尿道炎を伴うこともあります。また、亀頭などに赤みや小さな水ぶくれ、ただれ、白い苔のような付着物がみられます。

  • 膣カンジダは性病ですか?

    膣カンジダを性病(性感染症)としてとらえることもできますが、日和見感染症という側面も持っています。カンジダ菌は健康な人にも存在する常在菌であり、性行為以外が原因となって発症するケースのほうが多くみられます。

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清水 なほみ先生
監修:ポートサイド女性総合クリニック・ビバリータ院長 清水 なほみ先生
広島大学医学部医学科卒業後、広島大学附属病院産婦人科、虎の門病院産婦人科などを経て、2010年にポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~を開院。女性医療ネットワーク発起人、NPO法人ティーンズサポート理事長、日本産科婦人科学会専門医。

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