Vol.8

アーユルヴェーダの伝統を現代風にアレンジ!インドの美容トレンド

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「きれいでありたい」そう願う女性たちの心は万国共通です。なめらかな肌、美しい髪、チャーミングな笑顔…。世界中を見渡せば、まだまだ私たち日本人が知らない“美”をつくるためのメソッドがたくさんあふれているはず! そこには、今よりもっと輝くためのヒントが隠されているかもしれません。

第8回は、インド編。2010年より6年間インドに暮らし、現地でアーユルヴェーダを学んだ経験のある川口由美子さんが「インド女性の美容事情」についてお話します。

5000年の歴史、インドに根付く「アーユルヴェーダ」

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外は40℃を軽く超えるインド。最高48℃にもなる真夏の陽射しは痛いほどです。しかし、そんな中でもインド女性のお肌はとても綺麗。その秘密は、古くから伝わる「アーユルヴェーダ」にあります。アーユルヴェーダは、約5000年ほど前からインドに伝わる、医学でもあり、実践的な健康法のことを指します。インドではすべての生活習慣は、アーユルヴェーダが元になっているといっても過言ではありません。伝統は近代化に即して、少しずつ変わってきています。でも根本的な考え方は、今も受け継がれているのです。そんなインドの美容法をご紹介します。

食べても塗っても…魔法の果実「アムラ」

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どんな食べ物にもスパイスを入れるイメージのあるインドの食卓ですが、実はアーユルヴェーダの考えに基づき、その日の体調や気候に合わせて日々の食事に配合されています。スパイスに限らず、常に食材の性質や環境などが複合的に考えられているのです。

なかでも、インド人に重宝されている食材は、アーユルヴェーダの3大果実のひとつとされている「アムラ」という果実。アムラを1日1つ食べると病気知らずと言われており、からだのバランスを整えてくれます。とても酸っぱいので、塩漬けや砂糖漬けにして摂るのが一般的。日本でいう梅干しのように各家庭の味があるのですが、今ではサプリメントや濃縮ジュースで手軽に摂ることもできるようになりました。未だに美容のキーワードとして欠かせない存在です。

食べるだけではなく、アムラは頭皮の健康にも良いとされており、アムラ入りのシャンプーや頭皮マッサージ用のアムラパウダーなど、広く使われています。白髪予防や髪の艶まで補ってくれるそう。食べても塗ってもよいアムラ、本当にすごいですよね!ビタミンCが豊富に含まれているので抗酸化作用が豊富。それは管理栄養士としても是非お勧めしたい一品です。

健康と美の秘訣は「呼吸」にあり!

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アーユルヴェーダの考えは食事だけでなく、健康法にも大きく関わっています。ヨガもその1つ。ヨガといえば柔らかいポーズなどを想像しますが、それだけではなく、大切なのは「呼吸」です。呼吸を整えることで血行もよくなり、肌ツヤもよくなると考えられています。また、胃腸の動きも活発になることから、腸内のデトックス効果、ひいてはダイエット効果も期待できるとも言われています。インドでは朝の公園で呼吸法をしている人がたくさんいます。片一方の鼻を押さえて、勢いよく息を吐き出すさまは、少し滑稽ですが、多くの人がやっているので、本当に美容や健康に良いのだろうなと思い私も実践しています。私は少し横着をしてベッドの上で…簡単にできるのも、ヨガ呼吸の利点かもしれません。続けられるのはうれしいですよね。

また、ヨガをする“時間”もアーユルヴェーダの考え方に従っているので、季節などにもよりますが、朝起きてしばらくしてから、ヨガ、それから時間をおいて軽い食事をとるのが一般的。日本で流行の「朝活」はアーユルヴェーダの考えでも効果的といえそうです。朝ヨガができるスタジオは日本でも増えているので、探してみるといいかもしれませんね!

ボリウッドメイクとアーユルヴェーダコスメ「カジャル」

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インド人の美容の目標となる存在は、ボリウッド女優さん。少し色白で、豊満なボディと長くてエアリーな髪の毛。大きな目をさらに強調する太くて濃いアイライナーとラメ感たっぷりのアイシャドウ……美容に敏感なインド女性の中では、映画に登場する女優さんと同じサリーを購入したり、メイクを似せたりするほどの人気です。メイクで特徴的なのはアイライナーで、昔からアーユルヴェーダの考えに基づき、とても濃いアイメイクをする風習があります。それが「カジャル」と呼ばれる灰でできたコスメです。これはコスメというよりも、目の炎症を守る薬のような意味もあります。目の健康を守りつつ、黒目を大きく見せる効果もあるので、昔から愛用されてきたのです。今は「カジャル」は諸国と同じアイライナーを指す言葉となり、すっかり様変わりしていますが、最近また健康志向の人などに昔ながらの灰の「カジャル」が注目されはじめています。伝統的な美容は、身体にも優しいと聞けば、一度試してみたくなりますね。

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川口由美子(かわぐちゆみこ)
管理栄養士。育児関連会社にてベビーフードの企画・開発、レシピ作成、育児アドバイスなどに携わった後、フリーランスとして独立。現在はインターネット、雑誌で離乳食レシピ、幼児食レシピやコラムを執筆。二児の母。夫の転勤に伴いアジアを転々としながら2010年より6年間インドに暮らす。現地人に根付くアーユルヴェーダや漢方などを学ぶ。

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