Vol.12

年を重ねてもエレガンスを失わない、パリジェンヌの女磨き

はじめから読む

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「きれいでありたい」そう願う女性たちの心は万国共通です。なめらかな肌、美しい髪、チャーミングな笑顔…。世界中を見渡せば、まだまだ私たち日本人が知らない“美”をつくるためのメソッドがたくさんあふれているはず! そこには、今よりもっと輝くためのヒントが隠されているかもしれません。

第12回は、フランス編。2001年よりフランス在住、現地でエステティシャンとしても活躍するヴァン・デック詩帆さんが「フランス女性の美」についてお話します。

いつも見られているという緊張感

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いつも魅力的で憧れのパリジェンヌ。彼女たちの美しさの秘密は、常に見られているという意識に隠されているようです。フランス人の生活にとって重要な要素のひとつが社交性です。おしゃべり好きなパリジェンヌは、頻繁に自宅に友人を招いてパーティーを開きますが、このような席に招かれたとき、たとえホームパーティーでも美容院に行って髪をセットしたり、きちんとオシャレをします。

わたしがフランスに来て間もない頃、ディナーに招待したフランス人に玄関で靴を脱ぐように頼んで、服のコーディネートが崩れるからと断られたことがありますが、彼女たちがいかに見た目に気を付けているかの一例でしょう。

また街を歩いているだけで、知らない人に洋服や口紅の色を褒められたり、すれ違い際に「マダム、あなたは美しいですね」と突然声を掛けられたり、熱い視線を感じることは珍しいことではありません。このように常に人に見られているという緊張感が、内面はもちろん、肌や髪のお手入れなどの外面への関心を高めているのです。

健康で女性らしいボディ作り

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ヨーロッパ諸国の中でも特にスタイルが良いことで知られるパリジェンヌですが、彼女たちはとにかくよく歩きます。パリは街全体がまるで美術館のように美しく、毎日同じ道を歩いても見飽きることがない街ですが、職場まで徒歩や自転車で通う人も多く、週末の公園や森はジョギングをする人や散歩をする人で賑わいます。

フランスはクラシックバレエが盛んで幼少時から続けている人も多く、最近はヨガやズンパなどの人気も高まり、ランチタイムに受けられる昼休みの時間帯のレッスンも人気です。そのためか、妙齢のマドモワゼルから高齢のマダムまで、例外なく背筋がすっと伸びているのが印象的。背筋がまっすぐだと、洋服の着こなしも美しく映えますよね。ドレスアップする機会が多いパリジェンヌは、女性らしくセクシーなボディを保つための努力を惜しみません。

ママになってもキレイをキープ

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パリジェンヌは一見、子供を持つママかそうでないかを見分けることがとても難しい。出産後ぶくぶく太ったり、オシャレに無頓着なママを見かけることがほとんどないからです。出生率2.01、女性の就業率85%と、女性の社会進出が目覚しいフランスでは、ほとんどのママが出産後も家に閉じこもらず、フルタイムで働き続けます。

日本と大きく違うのが、ママだから子供の世話や家事に追われなければならないという概念にとらわれず、負担を軽くして自分の時間やキャリアも大切にするべきだと考えられている点です。一般的な家庭でもベビーシッターを雇ったり、お手伝いさんに定期的に家事をしてもらうことは普通のことであり、男性も家事や育児に協力的なので、ママにだけ負担がかかることがありません。こうしてできた時間で、肌の手入れをしたり、外出したり、スキルアップのための勉強をしたり、自分磨きの時間をしっかり確保します。

またロマンチックなフランスの男性は妻に女性としての魅力を求めて、花やランジェリーなどのプレゼントを贈り愛情を示すのが上手く、このようなパートナーとの関係もママになっても変わらず女性らしさを失わない理由のひとつです。

若く見られたいのではなく、素敵に見られたい

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美意識の高いパリジェンヌですが、意外なことに彼女たちから「若く見られたい」という言葉を聞くことはありません。30代でようやく大人の女性に、40代から人生を楽しむ季節が訪れると言われるフランスでは、若くて中身の薄い女性よりも、人生の経験を積み、豊かなユーモアや自分なりの意見を持つ女性のほうが人気があります。 彼女たちは若く見られるよりも、知性があり、エレガントな女性だと感じてもらうほうがずっと幸せなのです。

若くてキレイなマドモワゼル、ナチュラルメイクで自然体のマダム、こってりお化粧をして高価な宝石や服を身にまとうゴージャスなマダムなど様々なタイプのパリジェンヌがいますが、共通しているのが自分の個性を知り、活き活きしているということ。

年齢から自由になって、生き方もオシャレに対しても自分らしさを追求することができるからこそ、いくつになっても年と経験を重ねるごとに自信と輝きを増す、素敵な女性でい続けることができるのでしょう。

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ヴァン・デック詩帆(ヴァン・デックシホ)
パリ7区でサロンCHICHI(シシィ)を運営する、フランスのエステティック・コスメティック国家資格を持つエステティシャン。All About「フランス流美容」ガイド。フランスの美容事情やライフスタイルに精通し、パリジェンヌから学ぶ最新の美容情報をパリから発信中。

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