イベント・特集

イベントレポートやインタビューなど、 妊活・妊娠関連の知っておきたい情報をご紹介します。

「妊活たまごクラブセミナー
Supported by ロート製薬」開催

夫婦やカップルで知っておきたい
「妊活」情報

「赤ちゃんが欲しい!」と思っている夫婦やカップルを対象に「妊活たまごクラブセミナー」を開催しました。医師や専門家をお呼びし、最新の妊活事情や今日から実践できる「妊活」など、実用的な情報をお話いただきました。


出産ジャーナリストから見た
「妊活・出産」イマドキ事情

最初の講師は、日本で唯一の出産ジャーナリスト・河合蘭さんです。出産、不妊治療、新生児医療の現場を中心に幅広く取材を行いながら、3人のお子さんを育てている河合さんに、「妊活・出産」のイマドキ事情をお話しいただきました。

ジャーナリスト・評論家・写真家

河合蘭(かわい らん)さん

3人の子を育てつつ、妊活・妊娠・出産の現場を追い続けてきた。『未妊—「産む」と決められない』(NHK出版)『卵子老化の真実』(文藝春秋)など著書多数。2016年「出生前診断-出産ジャーナリストが見つめた現状と未来」(朝日新書)で「科学ジャーナリスト2016 賞」受賞。

最初はデータを見ながら、「妊活」の今昔についてのお話から。
「ここ10年で時代が変わり、それまでは出産後の話が多かったのですが、今は出産する前の話が多くなりました。本来、男女の妊娠力のピークは25歳ですが、現在は東京都での出産の平均年齢は32歳。妊娠力が下がったところでの妊娠・出産となっています。また、結婚から初産までの年月となると、1975年ころは10か月目というのが圧倒的多数でした。これは、結婚した女性は寿退社をし、『ハネムーンベイビー』という言葉が象徴するように、結婚後すぐに子どもを作る人が多かったからですね。ところが今は結婚6か月目がピーク。これは出来ちゃった結婚の増加が一因ですが、そうならなかった夫婦がなかなか妊娠しないことがもう一つの大きな理由です。女性活躍の時代となり、男女ともに長時間働くので過労や夫婦のすれ違いなども起きています。だから、それまでは自然に起きていた妊娠が努力を迫られるものになってきて、『妊活』という言葉が生まれたのです」

こうした背景を踏まえて、河合さんから「妊活」を始めるにあたってのアドバイスが送られました。
「妊娠しやすいのはリラックスした環境とも言われていますが、震災の後に妊娠しやすい現象が起きるなど、命の誕生はとても神秘的なものです。皆さん、妊娠のタイミングを意識しますが、ここでも日本人は勤勉でまじめなので「妊娠しやすい日」や「妊娠にしやすい食事」などに力が入りすぎてしまう。これが、泥沼になりやすい要因になっているのです。それよりも、毎日忙しすぎないか、疲れたりイライラしたりしていないかと身体の声を聴いてみましょう」

「妊活」では「外で身体を動かし、いい汗をかく」「旅行に行く」「相手を思いやり、会話を楽しむ」といった夫婦のライフスタイルの見直しをおすすめしていました。

河合さんの膨大なデータに基づいたお話と、具体的なアドバイスはとても説得力のあるもので、来場していた皆さんの心に響いていました。


女性医師×男性医師の「妊活スペシャルTALK」宋美玄先生×小堀善友先生~
男の妊活・女の妊活 セキララ講座~

続いての講座は、婦人科医の宋美玄先生と、4人の息子さんを持つ泌尿器科医・小堀善友先生による「妊活スペシャルTALK」。来場いただいた夫婦やカップルから寄せられた質問をもとに、お二人に対談いただきました。

産婦人科医・医学博士

宋美玄(そんみひょん)先生

ロンドンで胎児超音波の研さんを積み、現在は首都圏のクリニックで産婦人科診療やカウンセリングを行う。
女性の体や性生活、妊娠・出産等についての啓蒙活動に取り組み、TVや雑誌、セミナーなどで活躍中。
一女一男のママ。フジテレビ「とくダネ!」木曜日レギュラーコメンテーター。


泌尿器科医

小堀善友(こぼりよしとも)先生

日本泌尿器科学会専門医、性科学会セックスセラピスト。専門は男性不妊(とくに射精障害)、性感染症。読売新聞の医療サイト「ヨミドクター」で、
コラム「オトコのコト」を連載中。またFacebookで「コボちゃん先生の射精障害講座」を開設。
奥さまと4人の息子たちとのシカゴ留学を経て、現在は獨協医科大学越谷病院泌尿器科勤務。

最初の質問は「夫が唐揚げが大好きで、毎日食べています。揚げ物は精子が弱くなると聞きました。大丈夫でしょうか?」というもの。この質問についてお二人がトークを展開。

小堀先生「揚げ物ばかりを食べることで精子が弱くなることはないと思います。よく「精子が悪くなる」と言いますが、これは数が減ることです。科学的な根拠からお話すると、太っている人の精子が悪いことは明らかになっていますので、揚げ物を食べ過ぎて太ることが、精子には良くないということになりますね」

宋先生「太っている方は糖尿病やメタボリックシンドロームといった病気にもつながり、その結果、勃起不全といった症状も起きます」

小堀先生「『妊活』で男性ができることはすごく少ないんです。精子を良くするために伝えることが5つあります。それは『よく寝ること』『運動すること』『やせること』『タバコを吸わないこと』『健康的な食生活を送ること』。これは身体を老化させないために必要なことです。寝不足や禁煙は、身体に酸化ストレスをかけ続け、精子を弱くすることにつながります」

宋先生「女性の排卵障害というのも、太りすぎ、やせすぎという人に多いので、標準体重に近い方がベストです。『この食材を食べると妊娠できる!』というのではなく、バランスの良い食事を心がけ、適度な運動をして、なるべくストレスのない健康的な生活を送ることを心がけてください」

そして次の質問は、「先生方は結婚されたばかりのころ、何人お子さんが欲しいと思っていましたか?それをパートナーにはどう伝えましたか?」というもの。お子様のいるお二人が、自分の経験談をお話くださいました。

宋先生「私自身、姉妹がいたので、子どもは複数人欲しいと思っていましたが、主人は結婚当初、家庭的なタイプではなかったので、子どもはそれほど欲しがってはいませんでした。首尾良く1人目はできたのですが、2人目のときは欲しいと言っても、主人はそれほど乗り気でなくて。時々、この話題を夫婦で話し合っているうちに、主人も『自然に出来ればいいかな』というように意見が変わってきましたね」

小堀先生「私の場合、息子が4人いますが、完全無計画です(笑)。正直、女の子ができるかなと思って作っていましたけど……、でも男の子ばかりでもかわいいですよ」

最後は「パートナーに妊活への理解を深めてもらうにはどうしたらいいでしょうか?」という質問。これに対し、医師としての立場からお話いただきました。

宋先生「妊活に対する男女の温度差はありますよね。『妊活』で医師に診断を受ける場合は、基本カップルで受診してもらわないといけません。妊娠しない原因は、男性側にも女性側にも考えられますから。夫婦そろって受診することで、特に男性は当事者だという意識も高まると思います」

小堀先生「まずはカップルで話し合うことが大事。それでも『妊活』がうまくいかなければ、医師という第三者を交えることもいい方法じゃないでしょうか」

宋先生「この場にいらっしゃる皆さんは、カップルで参加されているので理想的ですよね。これをきっかけに、パートナーと妊活や夫婦生活に関してオープンに話してもらえればと思います」

宋先生と小堀先生のトークはとても軽快で、ときには会場から笑いが起きることも。「妊活」の先輩として貴重な意見もざっくばらんにお話いただき、とてもなごやかな雰囲気のなか、対談は終了しました。


パートナーと子どもを持つことの
イメージ
を共有するワーク

次に行われたのは、パートナーと子どもを持つことのイメージを共有するワーク。「子どもはいつごろ欲しい?」「何人くらい?」「男の子・女の子、どっち?」などの6つの質問が書かれたシートをそれぞれが記入し、記入後は、パートナーとシートを交換。すると、会場内にざわめきが!「こう思っていたの?」とお互いの気持ちや意識の違いを確認するなど、パートナーと「妊活」についてコミュニケーションする場となりました。


ふたり妊活を応援する
ロート製薬セミナーでは、
排卵日検査薬の紹介を行いました。

なごやかな雰囲気の中で行われた「妊活」セミナー。すべての講座が実用的な内容で、すぐに実践できるものばかり。これをきかっけに、パートナー間のコミュニケーションが深まり、パートナーといっしょに「妊活」することを期待しています。