イベント・特集

イベントレポートやインタビューなど、 妊活・妊娠関連の知っておきたい情報をご紹介します。

WOMAN EXPO TOKYO 2017
~赤ちゃんが宿りやすい身体になるために、いま出来ること~

働く女性のための
妊活セミナーレポート

自分らしく輝く、ワーキングウーマンのためのイベント「WOMAN EXPO TOKYO 2017」において、「働く女性のための妊活セミナー」が開催されました。第一部は、第一線で活躍され、働く女性からの信頼も厚い産婦人科医の善方裕美先生による「妊活セミナー」。第二部はビューティーモデルの田中マヤさんにご登場いただき、「妊活」をテーマにパネルディスカッションを実施。当日は約200名の方が参加し、妊活・出産にまつわる情報や普段聞くことができない貴重なお話の数々に熱心に耳を傾けていました。


第二部パネルディスカッション
「妊活」にもつながる健やかで
キレイな身体の整え方

第二部のパネルディスカッションでは、善方先生に加え、ビューティーモデルとして活躍中の田中マヤさん、ロート製薬排卵日検査薬担当 みやっちが登壇。先輩ママである皆さんが、ご自身の経験を踏まえながら、「妊活」や健康的な生活について語ってくださいました。

司会:黒住沙織さん

(日経BP総研マーケティング戦略研究所主任研究員)


田中マヤ さん

1999年デビュー。以来、数多くの女性誌や化粧品の広告、などで幅広く活躍するビューティーモデル。内と外、両面から美を追求すべく、ジュニア野菜ソムリエ、AEAJ認定アロマテラピーアドバイザー、ホリスティックビューティー検定の資格を取得。3歳の男の子のママ。著書に「美容モデル田中マヤのマタニティビューティ」(世界文化社)など。公式インスタグラム@tanakamaya_official


妊活の誤解とポイント

—— 田中さんは30歳でご結婚、32歳でご出産されたそうですが、妊娠までの経緯を簡単に教えてください。
田中さん:私は排卵日予測のアプリを活用して、排卵日と生理をチェックしていました。そんな中で、サプライズで子どもを授かり、本当にビックリしました。きちんとコントロールしているつもりでしたが、アプリではズレが生じることもあるんだと分かりました。

—— 田中さんは排卵日をずらしたつもりが、授かったということですが、善方先生、「妊活」について多くの人が誤解されていること、間違っていることを教えてください。
善方先生:先ほどのセミナーでもお話しましたが、いつまでも子どもが産めるというのは残念ながら間違っています。卵子凍結という技術も進化していますが、保存しておいた卵子が精子と結びついて受精卵になり、身体に戻したとしても、母胎が高齢だった場合は妊娠高血圧症候群を発症する可能性もありますし、出産も子育ても大変になりますから、いつまででも大丈夫とは言えません。
生理があれば妊娠できるというのも誤解ですね。閉経の平均年齢である50歳くらいまでなら普通に妊娠できると思うのは間違い。女性の更年期は45歳~55歳ですが、40歳を超えてくると生理があっても排卵がなかったり、排卵された卵子が妊娠できる卵子ではない確率が高くなり、特別な方法を施さないと妊娠は難しいと思います。若い方でも「無排卵月経」といって、生理が来ていても排卵がない場合もあるので、排卵はチェックして欲しいですね。
男性の場合は精子が毎日作られますが、年齢は関係ないのか?と言えば、そうではありません。年齢的に身体的能力が落ちてくることによって、ED(勃起不全)などになり、射精まで至らない回数が増えてくるので、男性もいつまでも大丈夫とは言えません。

—— 「妊活」を成功させるポイントはありますか?
善方先生:大切なことは、運動、睡眠、食事ですね。これに気をつけて、ご自身の身体能力をフルに使える状態にしておくことが重要です。とにかく忙しくて、あまり寝られない、食べられないという状況での「妊活」は難しいので、健康的な生活を心がけてください。


先輩ママに聞く!
「妊活」に良い生活とは?

—— 田中さんご自身が生活面で気をつけていることはありますか?
田中さん:基礎体温を高く保つことですね。私の基礎体温は36.5℃です。そのおかげか朝もスッキリ起きられますし、身体の冷え対策にも有効的だと思います。具体的にやっていることは、朝起きたら白湯をコップ1杯飲むこと。あとは、熱めのお風呂に肩まで浸かること。時間は15分くらいです。長くゆっくりと浸かる半身浴がトレンドですが、お風呂に浸かり過ぎると肌の保湿成分が外に出てしまうと言われています。なので、この入浴法にしましたが、身体の芯まで温まっている気がします。

—— ビューティーモデルさんならではのこだわりですね。食事面はいかがでしょうか?
田中さん:食事で気をつけていることは、茶色のものをとることですね。白いものは身体を冷やすものが多いと言われているので、白米ではなく玄米、普通の食パンではなくライ麦入りを選んだり、砂糖は黒砂糖を使うようにしています。また、腸内環境を整えると言われる発酵食品も積極的にとるようにしていて、最近では、お味噌は自分で作ったりもしています。

—— 田中さんは睡眠で気をつけていることはありますか?
田中さん:私のストレス発散は、寝ることです(笑)。嫌なことがあっても、寝たらスッキリする気がするので、睡眠も大切にしています。
善方先生:寝ているとメラトニンというホルモンが分泌されるのですが、このホルモンはリラックスさせる作用があるんです。それが正常に分泌されていると、寝るだけで気持ちが切り替えられたりするんですね。

—— 田中さんは美容に良い生活を送ることで、結果的に「妊活」にも理想的だったと言えますよね。一般企業で働くみやっちは、「妊活」で気をつけたことはありますか?

みやっち:今、6歳の息子がひとりいますが、特別なことはしてはいません。子どもができるまでは、夫婦ともども出張が多い仕事だったので、一緒にいれる時間を大切に過ごそうと心がけていました。旅行に行ったり、美味しい食事をしたりして二人の時間を楽しんでいました。

—— 善方先生から「妊活」で気をつけるポイントというのはありますか?
善方先生:最近はいわゆる「やせ妊婦さん」が多いですね。妊娠したものの、赤ちゃんを育てるためのエネルギーが不足してしまっているなあ、と感じる方もいます。野菜ももちろん重要ですが、筋肉や血液を作るのに必要なタンパク質、例えば肉や魚、卵、豆類などもバランス良くとるように心がけてください。


女性ならではの悩み。
生理を快適に過ごすには?

—— 田中さんは生理での悩みはありますか?
田中さん:生理周期は28日くらいで安定していて、生理痛という悩みもないですね。生理と言えば、最近、撮影現場の仲間やママ友などから、布ナプキンが良いという話を聞きますが、これは婦人科の先生から見ていいものなのでしょうか?

善方先生:布ナプキン良いですね!市販のナプキンというのは、何かしら化学繊維による刺激が発生して、身体の不調にもつながりますから。

田中さん:布ナプキンは洗濯が面倒くさい、外出先で付け替える時にどうしたらいいんだろうという悩みがあったんですが、最近お友達にいい方法を教えてもらったんです。それは市販のナプキンに、着古したTシャツや布をちょうどいいサイズに切っておいて、上から一枚かぶせるというやり方です。それだけでも、身体の調子が良くなると聞いて、私も実践してみたいなと思っているところです。

善方先生:私は傷にあてるガーゼをナプキンの上にのせるのをおすすめしています。綿100%ですし、医療用のものであれば安心ですし、洗濯もしやすいと思います。ガーゼはドラッグストアで購入できます。

田中さん:それいいですね! 私も医療用ガーゼを使ってみます。


働くママが教える、
育児と仕事の両立
のポイントとは?

—— 現在、第二子のご予定、ご希望はありますか?
みやっち:1人目を産んで仕事復帰した後は、仕事と育児と家庭のバランスをとるのが大変で、2人目は当分いらないと思っていました。今は息子が6歳になりお手伝いもしてくれるまで協力的になったので、2人目を考えはじめています。

田中さん:40歳までに2人目は欲しいと思っています。息子が4歳になり、赤ちゃんほど手がかからなくなったので、1~2年は自分の時間を楽しもうと思っていたのですが、善方先生の「妊活セミナー」を聞いて、36歳の私には、そんな余裕はないのかなと……。先生のお話は知らないことばかりだったので、勉強になりました。

—— 最後になりますが、会場にいる「妊活」を目指す皆さんに向けて、仕事と育児の両立のポイントやアドバイスをお願いします。
田中さん:育児をしながら働くというのは難しくて、母親一人が頑張りすぎてしまうところがあると思うんです。でも、子どもがいることで仕事とのメリハリも出てきて新しい発見もあります。仕事で疲れて帰ってきても、子どもの笑顔を見るだけで疲れも吹き飛んだり、子どもが仕事へのエネルギーになっている部分もありますね。あとは、旦那さまに上手に甘えてサポートしてもらうのが、うまくいくポイントだと思います。

みやっち:子どもが生まれるまでの2人の時間で、家事能力の高い男性にしておくことをおすすめします(笑)。周りの友人でも旦那さまの協力が得られないという声も多く、子どもが2人いるみたいと言う人も少なくありません。子どもが授かるまでの間で、料理、洗濯、掃除など一通り一緒にすることで、旦那さまの家事に対する理解も深まります。働く女性にとって、家事に協力的な男性はうれしいですよね。

善方先生:私も3人の娘を育てましたが、私から言えることは「頑張り過ぎないでください」ということ。自分の育児を振り返ると、育児と仕事の両立はできていません。ここまで仕事をやりたいと思っても、できずに置いて帰るということも多々あったんですが、私は子どもと一緒に過ごす時間を目いっぱい楽しむようにしました。そうすることで、動物園や絵本ってこんなに面白かったんだ、という気づきがあって、良かったです。無理に両立しようとせず、その時期、自分が子育てと仕事、どちらに力を入れるのか考えて、バランスをとっていけば、楽しく過ごせると思います。


約1時間に渡った「パネルディスカッション」。「妊活」にまつわるさまざまな話が繰り広げられましたが、特に、田中さんが実践していた、美容に良い生活は「妊活」にも理想的という内容が印象的でした。「妊活」をスタートさせようと考えている皆さん、ぜひ参考にしてください。