子どもの花粉症が増加中!!
2014年12月、花粉症対策への啓発を目的に、ロート製薬が0~16歳の子どもを持つ父母を対象とした「子どもの花粉症」アンケート調査を実施しました。 このうち回答をいただいた父母1,522人及びその子ども2,452人の症状や実態等について、集計・分析を行いました。
3人に1人の子どもが花粉症
0歳~16歳の子どもを持つ1,522人の父母の子ども2,452人のうち、「花粉症である」と親が実感している子どもは32.7%(「花粉症」+「花粉症も通年性アレルギー性鼻炎も両方」)という結果に。実に3人に1人が花粉症であると感じているようです。また「通年性アレルギー性鼻炎」もしくは「花粉症」のいずれかを発症している子どもは5割弱にものぼりました。
調査結果
問)お子様は花粉症だと思いますか?
N=2,452
「花粉症」は、子供のアレルギー症状の中で最も多い
現在子どもが該当すると思う症状について聞いたところ、「花粉症」32.7%に対して、「アトピー性皮膚炎」は10.6%という結果になりました。花粉症はアトピー性皮膚炎の子どもの割合と比べると約3倍以上となりました。
調査結果
問)お子様は花粉症だと思いますか?
N=2,452
※医師の診断ではなく父母の実感によるものです。
低年齢化する花粉症。5歳までの発症は4割強
自分の子どもの花粉症を実感している親にその発症年齢を聞いたところ、「3歳」「5歳」と答えた人が最も多く12.3%となりました。 0歳から5歳までが43.8%、0歳から10歳までが80.4%という結果に。
調査結果
問)お子様は何歳で花粉症を発症したと思いますか?(「お子様は花粉症だと思う」と答えた方のみ回答)
N=803
調査設計
調査方法 | インターネットによるアンケート調査 |
調査目的 | 小児花粉症の実態を知っていただくことで花粉症対策の啓発に役立てる |
調査・分析 | ロート製薬株式会社 |
対象エリア | 全国 |
調査時期 | 2014年12月2日~12月8日 |
調査対象 | 0歳~16歳までの子どもを持つ父母 ※調査結果は回答した父母の実感によるもので、医師の診察結果による数値ではありません。※子どもの人数に応じてそれぞれ回答いただいています。 |
サンプル数 | 1,522名 |
過去調査では、意外な結果が出ています!!
2012年12月、花粉症対策への啓発を目的に、ロート製薬が0~16歳の子どもを持つ父母を対象とした「子どもの花粉症」アンケート調査を実施しました。 このうち回答をいただいた父母2,587人及びその子ども4,371人の症状や実態等について、集計・分析を行いました。
両親が花粉症の場合、子どもの4割強が花粉症
2012年に実施した同調査(※1)において、お父さん・お母さんへ花粉症を発症しているかを質問し、その子どもが花粉症を発症しているかどうか関連性を調べました。その結果、「両親がともに花粉症の子ども」は43.2%が花粉症であるのに対して、「両親がともに花粉症ではない子ども」の花粉症は11.6%にとどまりました。
また「父親のみが花粉症の子ども」は23.4%が花粉症を発症していますが、「母親のみが花粉症の子ども」は、32.8%が花粉症という調査結果が浮かび上がってきました。
※1)2012年12月実施。0~16歳の子どもをもつ父母2,587人及びその子ども4,371人へのアンケート調査結果(ロート製薬調べ)
第1子は、花粉症になりやすい傾向に
2012年に実施した同調査(※1)において、10~16歳の子どもに限定(※2)して、出生順と花粉症発症について聞いたところ、第1子では39.7%、第2子は29.2%、第3子は28.6%が花粉症であると答えました。
第1子が一番アレルギー体質になりやすく、第2子、第3子と兄弟姉妹の数が増えるにつれて、上の子から感染症がうつるので強くなりアレルギー体質にはなりにくい、と考える「衛生仮説」に近い結果となりました。
※1)2012年12月実施。0~16歳の子どもをもつ父母2,587人及びその子ども4,371人へのアンケート調査結果(ロート製薬調べ)※2)10歳未満では年齢の影響で第一子が多くなってしまう可能性が高いため、10歳以上の子に限り集計。
花粉症専門医より
今回のアンケート調査結果をもとに、小児アレルギーの専門医の立場から、見解とアドバイスを頂きました。
末廣 豊(すえひろゆたか)医師
大阪府済生会中津病院小児科免疫・アレルギーセンター
日本小児アレルギー学会評議員・理事
花粉症患者の低年齢化は進んでいます。他人から分かりづらい子どもの花粉症は、集中力低下など生活の質への影響が心配。
花粉症に関する最近の報告を見ると、小児花粉症患者の増加、低年齢化が目立ちます。ご両親がスギ花粉症の場合、理論的には子どもはほぼ100%スギ花粉症になります。花粉症は生命を脅かすことはまずありませんが、集中力低下など生活の質(QOL)を著しく損ないます。
さらに、小児の花粉症の症状は、鼻水や連続するくしゃみが出るというより、ぼーっとしているなど、他人からは分かりづらいという特徴がありますので、お母さんが注意してあげることも大切です。
乳幼児期からの花粉回避、屋内への花粉侵入の予防など、発症予防が大切。
いったん発症した花粉症が自然寛解する可能性は低いと考えられていますので、治療は発症予防として、乳幼児期から花粉を回避する、屋内への花粉侵入を予防することが大切です。発症してからは、花粉の飛散時期には花粉情報に注意し、早目からの予防治療が大切です。
目のかゆみは、手でかいてしまわずに、点眼薬で適切な治療を。
近年、花粉症の子どもの数は増加しており、今回の調査でも年々微増していることが分かりました。
この傾向は今後も続くと思われます。
症状は大人と同様に、目のかゆみ、くしゃみ、鼻水、鼻づまり等が起こります。特に目のかゆみに関しては、我慢できずに目の周りや目の粘膜を手でかいたり、こすったりしてしまいます。目のかゆみは手でかいたり、こすったりしても良くならず、粘膜が傷ついたり炎症が悪化する恐れがあるため、目薬でかゆみを抑えることが有効です。小さなお子さんは自分では花粉症という事が分からず、大人のような典型的な症状がそろわないこともあるので、周りの人が小さなサインを見逃さないことが大切です。