「口内炎」の予防・対処法を解説

<知っておきたい>「口内炎」の正しい知識 (2)「口内炎」の予防・対処法を解説

口内炎ができると、ときにはひどい痛みから飲食が難しくなることもあります。間違った対策を続けると、治りにくくなったり悪化を招いたりする可能性もあるため、適切に予防、対処していくことが重要です。口内炎の一般的な予防・対処法について、歯科医監修のもと解説します。

口内炎の予防法

口内炎の予防法

口内炎を防ぐためには、口内炎を引き起こす要因を取り除くことが大切です。具体的には、次のような対策があげられます。

基本的な予防法

基本的な予防法として取り入れたいセルフケアと歯科でのケアには、次のようなものがあげられます。

セルフケア

  • 栄養バランスのよい食事をとる
  • 規則正しい生活を送る
  • 質のよい睡眠を十分にとる
  • 疲労やストレスをためないよう工夫する
  • 適度な水分補給で口腔内の乾燥を防ぐ
  • 口呼吸に注意する
  • うがいや歯磨きを習慣づけ、口腔内の清潔を保つ
  • 義歯を使用している場合には、化学的洗浄剤を用いるなどして清潔に保つ
  • よく噛んで唾液の分泌をうながす

歯科でのケア

  • 慢性的な刺激を与える原因がないか、歯科でチェックする
  • ブラッシング指導を受ける
  • 虫歯を治療する
  • 入れ歯や矯正器具が合わない場合は調整する
口内炎の対処法

口内炎の対処法

口内炎ができてしまったら、悪化を防ぐためにも適切に対処する必要があります。ただし、気になる症状がある場合は早めに歯科を受診しましょう。

基本的な対処法

口内炎ができたときの基本的な対処法としては、以下のものがあげられます。

  • ていねいなブラッシングで、細菌の塊である「歯垢」を除去する
  • うがい薬を使って細菌の増殖をおさえ、口腔内の清潔を保つ
  • 舌苔が多いと思われる場合は歯科を受診し、取り除いてもらう
  • 貧血や栄養障害が原因となっている場合は、不足しがちな栄養素の摂取を心がけつつ、栄養バランスのとれた食事をとる
  • 刺激を防ぐため、辛いもの、酸っぱいもの、しょっぱいもの、熱いものの摂取を控える
  • 飲酒や喫煙を避ける
※通常の食生活ができる場合、自浄作用が働き、舌苔が増加するようなことはあまりありません。しかし高齢者や脳梗塞などの疾患で舌機能が低下している方、あるいは軟食ばかりの方などは舌苔が蓄積していることがあります。

こんな場合は早めに歯科へ

通常の口内炎であれば、1~2週間程度で自然に治ります。もし症状が2週間以上長引いたり、次のような症状がみられたりする場合は、早めに歯科を受診してください。

  • 赤みが強くなっている
  • 腫れが強くなっている
  • 症状の出る部分が大きくなっている
  • 症状が出たりおさまったりする
  • 膿が出ている
  • 痛みが強く、日常生活に支障をきたしている
  • 口腔外にも症状が現れている
お子様における口内炎の予防法・対処法

お子様における口内炎の予防法・対処法

基本的には、大人と同じ予防法・対処法を取り入れます。ただし、大人と違って自分の口の中に無頓着な傾向があります。粘膜を傷つけたり、ブラッシングが不十分になったりしないよう、保護者の配慮が必要です。

口内炎で気になるお悩み(Q&A)

口内炎で気になるお悩み(Q&A)

私たちの生活の中で身近な疾患である口内炎。口内炎の気になるお悩みに歯科医がお答えします。

  • 口内炎はうつりますか?

    口内炎には、細菌や真菌、ウイルスなどが原因となるものも含まれます。その場合は感染症ですので、第三者にうつる可能性があります。

  • 痛みをともなわない口内炎はありますか?

    口内炎の症状はさまざまであり、痛みのあるものもあれば、痛みを感じないものもあります。痛みがないからといって問題がないわけではありません。とくに舌がんなどの口腔がんの場合、初期では痛みが生じないケースもあるため、気になる症状があれば歯科を受診してください。

  • 口内炎にハチミツや塩をつけると効果があるのでしょうか?

    明確な科学的根拠はないと思います。むしろ、口内炎ができた部分に塩を塗ると痛みが強くなることもありますので、避けたほうがよいでしょう。

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島袋 善夫先生
監修:しまぶくろ歯科医院副院長/大阪大学歯学部臨床教授 島袋善夫先生
大阪大学歯学部卒業後、大阪大学歯学部附属病院医員、スイスベルン大学客員研究員、大阪大学歯学部附属病院口腔治療・歯周科副科長、大阪大学大学院歯学研究科、口腔分子免疫制御学講座准教授などを経て現職。博士(歯学)、日本歯科保存学会指導医・認定医・評議員、日本歯周病学会認定歯周病専門医・認定医・評議員、衛生工学管理者、第一種衛生管理者。

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