春先まで注意しましょう!「しもやけ(凍瘡)」の予防法・対処法を解説

<知っておきたい>「しもやけ(凍瘡)」の正しい知識 (2)春先まで注意しましょう!「しもやけ(凍瘡)」の予防法・対処法を解説

寒い季節に手足などにできるしもやけを予防することはできるのでしょうか。しもやけができてしまった場合の対処法も含めて、皮膚科専門医の監修のもと、詳しく解説します。

しもやけ(凍瘡)の予防法

しもやけ(凍瘡)の予防法

しもやけ(凍瘡)は寒い環境下に長くいることで体の末端の血流が悪くなり、発症します。予防するには以下のような方法が有効です。

対策
  • 寒いところではしっかり防寒する

    しもやけ(凍瘡)は真冬よりも一日の気温差が大きい初冬や冬の終わりによく発症します。寒暖差のあるところを行き来するとしもやけ(凍瘡)のリスクが高くなりますので、早めの時期から防寒に努めましょう。外出時は手袋、マフラー、マスク、耳当て、帽子、カイロなどを使用して寒さにさらされないようにしてください。

  • つま先を締め付ける靴を避ける

    窮屈な靴、つま先が尖った靴などを長時間履き続けることでも、足先の血行が悪くなり、しもやけ(凍瘡)を引き起こすことがありますので、注意が必要です。

  • 湿気を避ける

    濡れた靴下や手袋を着用し続けたりすると、手足の指先が冷えてしもやけ(凍瘡)を引き起こしやすくなります。替えを用意して濡れたら取り換えることで予防になります。

  • 体を内側から温め、血行を良くする

    温かいものを食べる、ゆっくり入浴するなど、体を内側から温めることも大切です。血行を良くするためにはマッサージも有効です。

しもやけ(凍瘡)の予防に摂取したい栄養素(食べ物)

しもやけ(凍瘡)の予防に摂取したい
栄養素(食べ物)

栄養バランスの良い食事をしっかり食べることが基本ですが、その中でも血行を促進する食べ物を積極的に摂取することで、しもやけ(凍瘡)の予防になります。具体的には以下のような栄養素(食べ物)です。

  • ビタミンE

    ビタミンEには血行を改善する効果があります。ナッツ類(アーモンド、ピーナッツなど)や、パーム油などの植物油、ほうれん草、かぼちゃ、アボカド、うなぎ、卵黄などにも含まれています。
    また、ビタミンEはビタミンCと一緒に摂取することで、より効果が期待できます。ビタミンCは柑橘系の果物やキウイ、イチゴ、パプリカ、アセロラなどに含まれています。

  • 香辛料

    体を温める効果のある食材として生姜、唐辛子、胡椒などのスパイス・香辛料が挙げられます。ただし食べ過ぎると胃に負担をかけますので気を付けましょう。

お子様のしもやけ(凍瘡)予防法

お子様のしもやけ(凍瘡)予防法

「(1)しもやけ(凍瘡)の原因・症状を解説」でも解説した通り、しもやけ(凍瘡)は学童期の小児に多くみられます。子どもは大人に比べて皮下脂肪が少なく、体重に対する体の表面積も大きいため、体温が逃げやすい、つまり外気温の影響を受けやすいという特徴があります。その上寒くても外で遊ぶことが多く、手足が濡れても気にしないので、大人よりもしもやけ(凍瘡)に注意が必要です。

予防法としては、先ほど記載したように、しっかり防寒することと、濡れた靴下や手袋はすぐに取り替えることに加えて、濡れた靴を乾かさずに履き続けないことなどが挙げられます。雪遊びなどで、濡れることが予め分かっていれば、防水性の高い手袋や靴、スキーウェアなどを着用させましょう。外から帰ったら手足をぬるま湯につけたりマッサージをしたりして温めることも大切です。

真冬よりも、1日の気温差が激しい初冬や春先の方がしもやけ(凍瘡)になりやすいので、真冬を過ぎても注意するようにしてください。また、まれにしもやけ(凍瘡)ではなく、自己免疫疾患などの病気である場合もあるので、春になっても症状がおさまらないようなことがあれば皮膚科や小児科などを受診するようにましょう。

しもやけ(凍瘡)の対処法

しもやけ(凍瘡)の対処法

しもやけ(凍瘡)は手足、耳などが腫れて赤くなるばかりか、とにかく強いかゆみが悩みの種。しかし、かゆいからといってかきむしると、皮膚がめくれて傷ができることもありますのでかきむしらないようにすることが大切です。以下ではしもやけ(凍瘡)の対処法について詳しく説明します。

対策
  • 保温

    保温することで悪化を防ぎます。手袋や靴下、耳当て、マフラー、マスク、帽子などでしっかり防寒しましょう。水仕事をする場合はゴム手袋などを着用して行うようにします。
    寒いところから帰宅したら、ぬるま湯で手足を温めましょう。ゆっくり温めれば、あまりかゆみが強くなりません。屋内でもルームシューズやスリッパを履いて冷えないようにすると症状が悪化しにくくなります。
    「仕事中靴が脱げなくて困った」という話も多く聞きますが、一度靴を脱ぎ、靴下が濡れていれば靴下も脱いで、カイロなどで低温やけどをしないように温めることをおすすめします。一時的にかゆみが増しても、血流が改善すれば症状が早く改善する可能性があります。

  • 入浴時のマッサージ

    入浴で体の内側から温めることができるとともに、マッサージで血流の改善が図れます。マッサージはやさしく丁寧に行うようにしてください。体が温まる効果のある入浴剤などの使用もよいでしょう。

  • 市販されている医薬品

    「しもやけ用」などとして、かゆみを抑えたり血行を良くしたりする効果のあるクリーム・軟膏が市販されていますので、こういった医薬品を患部に塗ることで症状の改善が期待できます。塗るときは強くこすらないように気を付けてください。軟膏・クリームの他、ビタミンEなどが含まれている飲み薬も市販されています。

  • 皮膚科を受診

    症状が悪化した場合や、かゆみ・痛みががまんできない場合は皮膚科を受診しましょう。症状や重症度に応じて血行を改善する効果のある軟膏や、内服薬、漢方薬(当帰四逆加呉茱萸生姜湯など)等が処方されます。
    糖尿病や閉塞性動脈硬化症の方はしもやけ(凍瘡)が重症化しやすいので、特に注意が必要です。

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堀内 祐紀先生
監修:秋葉原スキンクリニック院長 堀内 祐紀先生
東京女子医科大学医学部医学科卒業後、都内皮膚科・美容クリニックを経て、2007年に秋葉原スキンクリニックを開院。日本皮膚科学会認定専門医、日本医学脱毛学会理事、Aケア協会アドバイザー。日本皮膚科学会、日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本抗加齢医学会などに所属。

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