皮膚のかゆみ(痒み)の原因を解説

よくあるかゆみ(痒み)に備えよう (1)皮膚のかゆみ(痒み)の原因を解説

皮膚に現れる症状の中でも、かゆみはつらい感覚のひとつ。かゆみが強いと十分な睡眠がとれない、勉強や仕事に集中できないなど、精神的なストレスに繋がることもあります。そのような皮膚のかゆみを引き起こす主な原因や、かゆみが起こる仕組みについて、くわしく解説していきます。

日常生活で起こるかゆみの主な原因

日常生活で起こるかゆみの主な原因

皮膚のかゆみには、日常生活の中にもさまざまな原因が存在します。考えられるかゆみの主な原因を見ていきましょう。

原因
  • 肌の乾燥

    肌が乾燥すると、皮膚のバリア機能が低下します。バリア機能が低下した状態の皮膚は、外部からの刺激を受けやすくなり、ささいな刺激にも過敏に反応してしまうため、かゆみを感じやすくなります。
    乾燥によるかゆみは、秋から冬にかけての空気が乾燥する季節に起こりやすく、低温・低湿になるほど症状は悪化しやすくなります。また、布団などに入って体が温まると、その温度差が刺激となり、さらにかゆみが増します。肌は加齢とともに乾燥しやすくなるため、高齢者にも起こりやすい傾向があります。

  • エクリン汗腺からの汗の分泌量が急激に増えることと、汗口周囲の表皮が肥厚して汗の出口がふさがることで、汗腺や汗管内に汗がたまり、水泡状のあせもができます。これによりかゆみや炎症反応(赤い発疹など)を引き起こすことがあります。また、汗に含まれる成分が皮膚を刺激し、かゆみが起こることがあります。高温多湿な夏の季節に起こりやすいかゆみの原因のひとつです。

  • 虫刺され

    蚊・ブヨ・ノミ・ダニ・ハチなどの虫に刺されたり咬まれたりした時に、虫が持っている物質によりアレルギー反応が起きることで、かゆみや炎症(赤み・腫れ)が起きます。

  • ハウスダスト

    ハウスダストとは、住まいの中にあるほこりや、カビやダニ、衣類から落ちた繊維や人やペットから出る毛やフケなどが混ざったものです。ハウスダストが皮膚に触れたり体内に取り込まれたりすることによってアレルギー反応が起き、かゆみを引き起こす場合があります。

  • かぶれ

    かぶれとは、何らかの物質が皮膚に直接触れたことによって起こる接触性皮膚炎のことで、かゆみや赤みを伴う炎症が起きることを指します。かぶれの原因になる可能性のあるものとしては、化粧品やヘアケア製品に含まれる成分や界面活性剤、アクセサリーなどの金属製品、うるしなどの植物や動物などが挙げられ、原因は多岐にわたります。
    また、接触性皮膚炎には、原因物質による刺激が原因の一次刺激性接触性皮膚炎と、原因物質によるアレルギー反応によるアレルギー性接触性皮膚炎があります。

  • 薬の副作用

    のみ薬や塗り薬など、薬剤を体内に取り込んだことで身体にかゆみが現れることがあります。多くは薬物に対するアレルギー反応で、薬疹と呼ばれています。

かゆみが起こりやすい体質

かゆみが起こりやすい体質

かゆみが起きる原因は人によってそれぞれ異なりますが、皮膚のかゆみを起こしやすい人には、次のような特徴があることが多いようです。

特徴
  • 乾燥肌

    健康な皮膚の肌表面では、外部の刺激から肌を守るバリア機能が正常に働いています。しかし、このバリア機能が低下してしまうと、外部からの刺激が肌内部まで入ってくるのを防ぎきれなくなってしまいます。乾燥肌の人はこのバリア機能が低下しているため、刺激によるかゆみが起きやすくなります。

  • アレルギー体質

    本来、体内に侵入する異物を排除するための免疫機能が、特定の物質に対して過剰に反応し、症状を引き起こしてしまうことをアレルギーと呼びます。アレルギーを起こしやすい人は体質的に、IgE抗体と呼ばれる物質を作りやすいと考えられています。

  • ストレス

    ストレスで体がかゆくなるという人もいますが、そのメカニズムはよくわかっていません。ただ、アレルギー症状には精神的ストレスの影響で症状が悪化することもあるようですので、注意するといいでしょう。

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